- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県利根町
- 広報紙名 : 広報とね 2025年1月号 No.730
■なぜダイバーシティがもとめられるのか?
▽ダイバーシティってなあに?
ダイバーシティ(Diversity)は、日本語で「多様性」を意味し、「人はみな違う」ということを表した言葉です。高齢化や労働人口の減少など現在の日本が抱えている諸課題を解決するための考え方の一つとして、ダイバーシティが注目されています。
ダイバーシティという言葉は、元々LGBTQ+などの社会的マイノリティの就業機会の拡大を意図して使われることが多かった言葉ですが、現在では、性別、人種の違いだけでなく、年齢、経験、学歴、価値観、性格など、より広い範囲での多様な人材の積極的な活用を意味するものに変わってきています。
以下の図のように、ダイバーシティはその特徴によって、外部から判断できる「表層的ダイバーシティ」と、一見してわかりにくい「深層的ダイバーシティ」の2つに分けられます。
人が持つさまざまな違いを問わずに受け入れ、有能な人材を活かし、多様な価値・発想を取り入れることで、常識や慣習にとらわれず、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、組織の生産性を向上することができるのです。
それぞれの人が尊重された、働きやすい環境づくりがダイバーシティの入り口となってきます。
▽ダイバーシティとインクルージョンの違い
しかし、ダイバーシティに取り組んでいても、一緒に仕事をして成長していく仲間として受け入れる環境が整っていないと、対立や誤解を招き、その人材が活かされないまま流出してしまうという可能性もあります。そこで、「インクルージョン」という考え方も出てきています。
インクルージョンは、「包括」「包含」を意味し、一人ひとりの考えや価値観を重視し、組織の内外を問わず、誰もが対等に、自分らしく組織に参加できる機会を創出し、組織力の向上を目指すための考え方です。ダイバーシティで個々の違いを認識し、そこで終わるのでなく、さらにそれを発展させ、多様な人材が対等に関わりあい、一体となり働ける状態を目指していくインクルージョンという考え方も大切になってきます。
ダイバーシティ・インクルージョンの目的は、自分勝手な人を増やすのではなく、全員が自分らしい形で組織に主体的に関わり、力を最大限に発揮する仕組みをつくることです。さまざまなライフスタイルに合わせて、多様な働き方が認められ、仕事とプライベート両方の充実がなされなければ、ダイバーシティ・インクルージョンが実現されたとはいえません。
性別や年齢など関係なく、それぞれの人が持つ考えを自由に言い合えること、それらをただ批評、批判するのではなく、受け入れられること、人々が対等に関わり合うことで、相互に成長や変化することが促されるのではないでしょうか。
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