くらし 当たり前じゃない、この自然 〜ネイチャーポジティブで守る群馬の恵み〜(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 群馬県
- 広報紙名 : ぐんま広報 2025年9月 No.436
■「ネイチャーポジティブ」という言葉を知っていますか?
ネイチャーポジティブとは、損失が続いている生物多様性を回復軌道に乗せるという考え方です。2030年までに生物多様性の損失を反転させ、2050年までに完全回復させるという目標が国際的に掲げられています。
そこで県では、昨年12月に「ぐんまネイチャーポジティブ宣言」を行い、その実現に向けて企業を後押しする取り組みなどを行っています。
今回は、県内の企業や団体が行うさまざまなネイチャーポジティブ活動を紹介します。
2020年を基準に、2030年までに生物多様性の損失を反転させる
■私たちと自然のつながり
◇奥山
人里離れた山の奥深くのことを「奥山」と呼びます。木の伐採など適切な管理をし、地面に光を届けることで、草花が成長し豊かな土壌が育まれます。そこに染みこむ雨水の浄化にもつながります。
◇里地里山
人が暮らしながら自然と共に手入れをしてきた場所が「里地里山」。人が活動することで野生動物との緩衝地ができ、農作物などへの獣害の発生を減少させる効果があります。
◇市街地
住宅や店などが密集し、経済活動が活発に行われる「市街地」。公園や街路樹、川や緑地などが生物の生息地になるとともに私たちの暮らしを豊かにします。
◇安中市にある崇台山山麓の里山再生活動を行う櫻田さんにお話を伺いました
植生が豊かな崇台山にもっと多くの人に訪れてほしいと思っていましたが、山麓の里山は篠藪が広がり荒れていたため、再生活動を始めました。地元の人と協力して整備したり、花畑を作ったりした結果、希少な昆虫が集まるようになり、うれしかったです。
またこの地の生物多様性や、自然再生の計画や活動が評価され、昨年「自然共生サイト※」に認定されました。
自然の再生活動で一番大切なことは「継続」だと思います。ここで自然に触れた人たちにその大切さを伝承できるような環境づくりを続けていきたいですね。
※環境省が認定する、民間企業や地方公共団体、個人などの取組によって生物多様性保全が図られている場所
里山の花畑・里の小屋 友の会
代表 櫻田 稔さん
■ネイチャーポジティブ経営で自然を守る
「ネイチャーポジティブ経営」とは、企業などが商品やサービスを提供するときに、自然を守ることを重要課題として位置付ける経営のことです。損失が続く生物多様性の回復には、経済活動の主体である企業がネイチャーポジティブ経営へ移行していくことが求められています。
県庁自然環境課
係長 原田 林太郎さん
◇ぐんまネイチャーポジティブ推進プラットフォーム
県ではネイチャーポジティブ経営に取り組んでいる、または取り組もうとする企業や団体の交流の場を設けることで県内のネイチャーポジティブを推進しています。
ネイチャーポジティブ経営について学ぶセミナー開催の他、企業や団体、自治体間の協業のマッチング相談なども行っています。取り組みを進める上での課題や悩みなどぜひご相談ください!
県庁自然環境課
鏑木 あゆみさん
問い合わせ先:県庁自然環境課
【電話】027-226-2872