くらし いきいき行田人(ぎょうだじん)

■ものづくりの魅力を伝える
石川 尊央さん(本丸・28歳)
令和7年7月に元足袋販売店の牧野本店でオープンした『日々新た』。このお店は、もんぺや靴下、木製の食器など伝統的な手工芸品が並ぶ、新しいものとの出会いやものを通じた新しい発見をコンセプトにしたセレクトショップです。今月はこのお店の店主・石川尊央さんを紹介します。
石川さんは市内出身で体育の教員になることを目指して大学へ進学。卒業後は国外でさまざまな経験を積みたいという思いから令和元年にJICA海外協力隊に入り、ヨルダンでパレスチナ難民の子どもたちに体育を教えていました。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、8カ月で帰国となりました。
その後、酪農の手伝いや移住体験などをする中、山口県下関市で硯(すずり)を作る職人と出会います。作り手が語る歴史や情熱、そしてなによりその技術を目の当たりにしたことがきっかけでものづくりへの興味が膨らんでいきました。
「ものづくりを伝える拠点を作りたい」と高まる思いの中で開業を決意。その準備として魅力の伝え方や販売方法を学ぼうと、作り手と使い手をつなぐ活動をする福岡県八女市の会社に入社し4年間を過ごしました。
「生まれ育った行田でお店を」と思い続けていた石川さんはついに行田の伝統産業である足袋屋「牧野本店」と出会い、昨年7月に『日々新た』をオープンしました。ここは「お店で知った小さな何かが新しい何かに繋がったら面白いなと想像しながらいろんな場所のいろんなものを集めているお店」と語る石川さん。足袋屋の面影残る太い柱が印象的な店内には、石川さんが日本各地の作り手と直接話をし、これだと感じた選りすぐりの逸品が並びます。「ここが皆さんの新たな発見や、ものを通じた交流の場になったらうれしい」と笑顔で話します。
温かく丁寧に、愛情を込めてつくられた商品たち。そして石川さんのこだわりや経験の結晶として開店した『日々新た』。石川さんはこれからも素材や製法、背景にある物語などの「ものづくりの魅力」を歴史ある行田市から発信していくことでしょう。