文化 歴活(レキカツ)-知れば史るほど-

■この坂、何だ?利根川がつくった加須の地形
本町福島クリニック東側の道を本町通りに向かう急な坂道。自転車をこいでは上がれないような急勾配です。付近には、このような坂がたくさんあります。はて、どうしてこんな坂ができたのでしょうか。
加須の地形は、利根川などの河川に運ばれた土砂の堆積により形成された平地がほとんどですが、河川をあふれた水が河の両岸に土砂を堆積して形成された「自然堤防地帯」もあります。市内で規模の大きな自然堤防地帯の一つが、利根川の幹流であった会の川沿いに見られます。会の川南側の串作・志多見・馬内・礼羽・加須・久下・南大桑、会の川北側の岡古井・不動岡・上三俣・多門寺などでは、堤防の幅が1.5km、水田との高低差が2mに及ぶ場所があります。
自然堤防地帯は、水はけがよく地盤が安定するため、定住に適しているといわれ、人々は早くからこの地に集落を作り、また、畑地として利用してきました。つまり、加須の大通りは昔の利根川がつくった「土手」ということなのです。
紹介者:関根雅彦 加須市文化財保護審議会委員

○急な坂道
住所:本町地内

問合せ:生涯学習課
【電話】0480-62-1223