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■検脈の勧め
長嶋茂雄、小渕恵三元首相、サッカーのオシム監督の3名から何を思い浮かべますか。この3名には共通する疾患がありました。その疾患とは脳梗塞ですが、その原因となるある不整脈の存在がありました。
その不整脈とは心房細動(AF)です。その名の通り心房が細かくふるえた状態であり、AFそのもので死亡することはありません。しかしAFによって形成された血栓が心臓の拍動によって脳に飛ばされると広範囲の脳梗塞を起こします。AFの約3割の人は動悸を自覚しておらず、こういう人達がハイリスクといえます。そのような現状から脳梗塞発症後にAFと診断されるケースは相当多いものと思われます。
では動悸のないAFは発見できないのでしょうか。実は簡単に見つける方法があります。親指の根元を少し肩の方にずらすと橈骨(とうこつ)動脈の拍動を触知できます。この拍動を朝晩1日2回触診してみることをお勧めします。脈拍は1分間に50~80回程度、規則正しく触れていれば問題ありません。AFではその規則性が失われバラバラになっています。もしこのような状態に気づいたら必ず医療機関を受診して下さい。正しく対処することで脳梗塞を高い確率で予防することが可能です。
医師 平野 進