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■慢性腎臓病について
慢性腎臓病という言葉を最近、耳にすることが多いのではないでしょうか。ここ10年ほどでテレビCMや新聞のコラムなどで広まっており、成人の7~8人に一人の割合で存在する病態です。
慢性腎臓病とは、(1)尿たんぱくなどの尿異常がある、(2)腎機能の低下(eGFRが60未満)がある、これらのどちらか一方あるいは両方が3か月以上持続する状態を指し、人間ドックや健康診断などで見つかることが多いです。
原因としては、まず遺伝性の腎臓病、慢性糸球体腎炎など腎臓そのものに疾患を持つ場合が挙げられます。次に全身の基礎疾患に腎臓が巻き込まれる場合、例えば糖尿病、高血圧などの生活習慣病、肥満、喫煙、加齢、動脈硬化などが挙げられます。慢性腎臓病になると、少しずつ腎臓の機能が悪化し、一部の方は人工透析などの治療が必要になる場合があります。また、腎臓が悪化せずとも、脳卒中や心臓病を併発するリスクが慢性腎臓病のない方に比べて高いという報告もされています。
慢性腎臓病と診断された場合、以下の注意が必要です。
(1)腎臓に基礎疾患がある場合は定期的に専門の医療機関で診てもらう
(2)糖尿病、高血圧、脂質異常などの生活習慣病がある方は定期的に管理を受ける
(3)肥満、喫煙、多量の飲酒、運動不足、ストレスなど生活習慣の見直し。健康診断等で慢性腎臓病の指摘を受けた場合は放置せずに専門機関での相談をお勧めします。
(鴻巣市医師会)