健康 健康情報コラム

■冷房による「夏の冷え性」に注意!
埼玉県立大学看護学科 助教
伊草 綾香(いぐさあやか)

体調管理と暑さ対策が一層重要となる季節になりました。厚生労働省においても、熱中症予防のために室内の温度調整は推奨されており、暑さを和らげるために冷房は欠かせません。一方で、冷房により体が冷えやすくなる「夏の冷え性」にも注意が必要です。長時間冷房の効いた環境にいることで、自律神経の乱れや夏バテを引き起こしやすくなり、肩こりや頭痛、けん怠感を感じることがあります。内臓が冷えると血流が悪化し、免疫力の低下や体調不良を招くこともあります。
そこで、夏の冷え性を防ぐためのポイントを以下に挙げます。

1.室内外の温度差を抑える…室内外の温度差が大きいと自律神経の働きが過剰になり、冷えだけではなく体調不良を招くこともあります。人によって感じ方は異なるため、自分にとって快適な温度を意識しつつ、外気温との差を抑えることが大切です。暑い日でも冷房による冷えすぎに注意し、こまめに温度調整しましょう。

2.衣服で寒さを調整…職場や公共施設など冷房の温度を変更できない場合は、薄手の羽織物やストール、靴下などを用意して寒さ対策を行いましょう。

3.湯船に浸かる…夏場でもシャワーだけで済ませず、湯船に浸かり大きな筋肉を温めることで、血流が促進され自律神経の乱れを整える効果が期待できます。

4.内臓を冷やさない食生活…血流や代謝を促進する納豆やヨーグルトなどの発酵食品や、しょうがやとうがらしなど体を温める食材を取り入れ、冷たい飲食物の取りすぎに注意しましょう。

5.適度な運動を心がける…屋外に出る機会が減ることで運動不足にならないよう、日常生活にストレッチや階段の利用を取り入れ、筋肉を動かして血流を良くしましょう。

適切な健康管理と室内の温度調節を行い、冷房の効きすぎに注意しながら健康的に夏を乗り切りましょう。