- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県富士見市
- 広報紙名 : 広報富士見 令和7年5月号
■鈴木 万結(まゆ)さん(オリエンテーリング)
◇イメージ通りの現実に込み上げる気持ち
「国際大会は初めてでしたが、良い成績を残せて良かったです」と振り返るのは、昨年12月にタイで開催された「第5回アジアジュニア・ユースオリエンテーリング選手権大会」に出場した市内在住の鈴木万結さん。鈴木さんは、女子20歳以下の部のミドル競技とリレー競技の2部門で優勝メダルを手にした。野外スポーツのオリエンテーリングは、地図とコンパスを用いて、山野に設置されたチェックポイントを指定された順序で通過し、ゴールまでのタイムを競う。今年11月に開催される東京2025デフリンピックの競技の一つでもある。道なき山野の地図を読む力、進路を選択する決定力・判断力、自然の中を走る身体的能力がトータルに要求される。
「地図の等高線から得たイメージ通りの地形が眼前に広がっていたとき、表現しにくいのですが、『いいなぁ』との気持ちにさせてくれるところが私にとっての競技の魅力です」と語る。
中学生時代から打ち込んできた競技だが、昨年に開催されたジュニア世界大会の選考会での落選が心に影を落とし、今回のアジア大会の選考に挑戦するか悩んだ。それでも彼女は挑戦することを決意し、冒頭の成果をつかんだ。
◇探すのではなく会いに行く
競技では、岩の裏側などチェックポイントが見つけづらい場所に設置される意地悪なコースも存在するという。思い通りにならない人生を表現するかのようだ。
そんなとき鈴木さんを奮い立たせるのは「オリエンテーリングは、探し回るのではない、出会いに行くスポーツだ」胸に刻んだ言葉だ。存在するかどうか分からないものを探すのではない、存在する場所に会いに行くのだ。
現在、大学生の鈴木さんは夢の実現に向け学問にも励む。「建築士の資格を取得し、建築デザインや環境デザインなど、好きなデザインの仕事や、イメージを形にするまちづくりに携わりたいです」
これからも、夢が描かれた地図と心のコンパスを頼りに不確かな今を進んでいく。そしてその先で出会うことだろう、イメージ通りの景色に。理想の未来を実現できる世界だから。
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