- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県富士見市
- 広報紙名 : 広報富士見 令和7年7月号
■福井 剛士(つよし)さん(バドミントン)
◇悲願の日本一に輝くまで
「考え抜いて繰り出したプレーもその結果は自分に返ってくる。相手との駆け引きが常に存在し、一瞬の判断が難しい。そこがバドミントンの面白いところです」そう語るのは、市内在住で昨年11月に開催された第41回全日本シニアバドミントン選手権大会で優勝に輝いた福井剛士さんだ。
バドミントンを始めたのは10歳の時で、体育の授業で福井さんの運動神経のよさをみた先生に誘われて始めたというが、それまではバドミントンに興味もなかったという。相手との駆け引きや戦術といった競技の奥深さに魅了され、気が付けばバドミントンに没頭していた。大学卒業後はプロの道へ進み、日本ユニシス実業団バドミントン部に所属した。国内外数多くの大会に出場するも、思うように勝てない時期が続いたという。「これだけやっても勝てないのかと悩むこともありました。でも、簡単に勝てるほどバドミントンは甘くない。気持ちを切り替えて、練習に打ち込みました。もともとポジティブ思考で思い悩む性格ではないんです」と前向きな性格でバドミントンに向き合い続けた。「悩みがあればまずは自分で考えて行動してみる。最初から正解、不正解は追い求めず、分析と実践を繰り返してきた」と試行錯誤する中で技術面、精神面ともに成長し、プロ生活の後半でキャプテンとして出場した全国大会では個人戦、団体戦ともに優勝へ導いた。
◇自身の経験を次の世代へ
29歳でプロ生活を引退後、活躍の場をビジネスの世界に移す。「専門知識を必要とするIT分野での仕事は、まったく違う世界に放り込まれた感覚。プライドは一旦置き、生まれ変わった気持ちで一から始めました」と転身後の苦労を振り返る。現在は仕事の傍ら、自身の培ってきた経験を次の世代へ残すため、コーチ業にも力を注ぎ「スポーツは楽しむことが大切で、そこから柔軟な発想も生まれてくる。勝つことに意識を持ちすぎずに、まずは楽しむことを忘れないでほしい」と次の世代へメッセージを送ってくれた福井さん。これまで試行錯誤の精神で培ってきた経験とともに、今後も自身の成長と次世代の育成活動に渾身(こんしん)の一打を放ち続けるだろう。
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