くらし ≪特集≫未来へつなぐ 公園の使い方(2)

◆みんなで決めた「できる方法」

≪福岡中央公園のボール遊び≫

▽「禁止」から「可能」へ 公園の使い方に新しい選択肢を
公園では、安全面や騒音などから、サッカーや野球などの球技を禁止しています。
そんな中、市民の皆さんから「子どもたちに身近な公園でキャッチボールなどのボール遊びをさせてあげたい」「公園でボール遊びがしたい」など、多くの声をいただいていました。
できる方法は何かないかと、市では公園でのボール遊びが可能となるよう検討を続けてきました。

▽公園利用アンケートに寄せられた市民の声
令和5年1月には、市内の子育て支援拠点や商業施設に来た子どもや保護者などに向けて、公園でのボール遊びに関するアンケートを実施しました。
「どうしたら公園でボール遊びができるようになるか」という質問に「子どもと地域が一体となってルールを決める」という意見が多くあり、モデルケースとして福岡中央公園でのボール遊びについて考えるワークショップを実施しました。

▽地域で決めた実現可能なルールと使い方
このワークショップを通じて「公園内の一部分をボール遊び可能なエリアとして設定する」「決められた条件内で遊ぶためのルールを設ける」といった具体的な方向性が共有されました。
その後、市の関係機関で協議し、道路へボールが出ないという点に配慮したものを追加し、ワークショップ参加者の了承のもと決定されました。
こうした意見の集約や市民参加による丁寧な話し合いの流れを経て、令和6年4月から福岡中央公園では、決められたエリアと決められたルールのもとでボール遊びが可能となりました。

▽住民と子どもがルールを「自分たちで決める」意義
この取り組みは「球技禁止」というルールから「どうすれば安全に遊べるか」をみんなで考えたことで実現しました。とりわけ印象的だったのは、子どもたちが自分の意見を堂々と発表し、地域の大人たちと対話を重ねながらルールを形づくっていったこと。まさに“子どもの声をまちづくりに生かす”という「市こどもの未来を育む条例(※1)」の理念が、公園という身近な場で生きた事例となりました。
地域住民の大人と子どもが共に話し合い、みんなでルールを決め、お互いに理解し合うことができた場合に限り、場所や時間を限定し、子どもたちがボール遊びができるようになりました。

○ワークショップでは
[step01]公園でボール遊びができない理由を一人一人が付箋に書き出す

[step02]2つのグループに分かれ、意見が書かれた付箋を貼りながら話し合う
・安全面への懸念
・周囲への迷惑
・ルールの認識不足など
→さまざまな視点が反映された意見

[step03]ボール遊びを可能にできるアイデアはないか?
・遊べるエリアを分ける
・柔らかいボールを使う
・見守り体制を整えるなど
→前向きな意見がたくさん

[step04]各グループで意見を発表し合い、全員で共通点や改善点を確認する

○ふじみ野市こどもの未来を育む条例(抜粋※1)
こどもの意見表明及び社会参加への支援
第12条 市、保護者及び地域住民等は、こどもの意見表明及び社会参加を促進するために、こどもの主体的な活動を奨励し、及び支援を行うよう努めるものとする。

自由な外遊びの場の確保
第19条 市は、こどもの体力の向上において、自由な外遊びが必要かつ重要であることを周知し、啓発するとともに、こどもの自由な外遊びの場として利用可能な場所を確保するため、地域住民等に協力を求めるものとする。

詳しい条例の内容は、市ホームページをご覧ください。

▽福岡中央公園 ボール遊びができるゾーン・ルール
広場からボールが飛び出さない、歩行者などの他の公園利用者の妨げにならない範囲内において、子どもとその保護者などの同伴者が、他の利用者などに迷惑にならない、けがをさせないボール遊びをできることとします。
なお、この取り組みは、子どもの外遊びにおけるボール遊びの場所の確保を目的とするものであり、大人の人だけもしくは子どもであっても、ボールを使用したスポーツの練習などを許可するものではありません。詳しくは、市ホームページをご覧ください。

『ボール遊びについてのルール』
(1)硬いボールやバットなど、他の利用者に危険を及ぼす道具の使用はできません。
(2)他の公園利用者にかまわず走り回ってボールで遊ぶことは、「危険なボール遊び」として判断し、禁止とします。
(3)早朝や夜間(午前10時前、午後5時30分以降)に声やボール音が響く状況で、ボール遊びをすることも、近隣にお住まいの人の迷惑となるので禁止します。
(4)フェンスや樹木などの公園施設に向けての行為や他の利用者の近くで、ボールを投げたり蹴ったりすることは禁止します。
(5)遊具付近、園路や出入口付近、トイレなどの公園施設、出入口、花壇の近くなど、ボール遊びに適さない場所では、ボール遊びはしないようにお願いします。

ルールが守られないことが続いた場合は、再度ボール遊びが禁止になることもありますので、注意した上でご利用ください。
地域の皆さんのご理解のもとで利用ができることを考え、他の公園利用者と譲り合いながら各自自己責任の上でご利用をお願いします。