くらし 行政情報ハクモクレン3「国民健康保険税の税率見直しについて」

埼玉県では、県内どこに住んでいても同じ保険税となる保険税の統一を令和12年度に実施する方針です。このため宮代町でも全県統一化にあわせて、段階的に税率の見直しを進めています。令和7年度の保険税率と見直しに至った背景についてお知らせします。

(1)国保制度を今後も続けていくために
◆宮代町の現状(医療費の増加と税収の減少)
・宮代町国民健康保険(以下、国保)は、加入者の高齢化や医療の高度化などにより、一人あたりの医療費が年々増加傾向にあります。また、後期高齢者医療制度への加入者の移行や被用者保険の適用拡大等により加入者が減り、国保税収入が減少しています。

・現在、町の国保財政は、支出に対して収入が不足する厳しい状況が続いています。国保特別会計は独立採算が原則ですが、この不足部分は、一般会計からの法定外繰入(赤字補填)で賄っています。今後さらに、法定外繰入金が増すと、国保制度の安定的な運営が難しくなります。

◆全県で負担し合う制度へ(国保制度の都道府県化)
・医療費の増加や加入者の減少は、全国的な問題です。国では、国保の財政基盤の安定化を図り、持続可能な医療保険制度を構築するため、県と市町村が共同で運営する国保制度の都道府県化を進めています。これにより、県全体の医療費を県内全市町村で負担し合う仕組みへと移行しています。

・埼玉県では平成30年から国保制度の都道府県化が始まり、その一環として、県内どこに住んでいても同じ保険税となる保険税の統一を令和12年度に実施する方針です。

・埼玉県は、この保険税統一の段階的な取り組みとして、県が積算した市町村ごとの標準保険税率(赤字にならない税率)の適用を令和9年度から実施することとし、県内自治体に対して、その適用に向けた保険税率の見直しと赤字解消を求めています。

・しかし、県が積算する標準保険税率に一度で見直すことは、加入者にとって急激な負担となります。町では、その負担をできるだけ緩和するため、令和9年度までに段階的な保険税率の見直しを実施する方針とし、この方針に基づき令和7年度の保険税率等を改正しました。

※令和7年度の標準保険税率。医療費の伸びや加入者の状況等を踏まえ年度ごとに算出されます。

(2)医療費の適正化に向けて
・国保加入者の皆さんが健康であることが医療費の抑制につながります。町の国保加入者の令和5年度の一人当たりの年間医療費は約41万円で、県内平均より約3万円高い水準となっています。

・町では、医療費の適正化に向けて特定健診を実施し、脳梗塞や心筋梗塞、腎不全などの重大な病気につながる糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの基礎疾患の早期発見に努めています。

・令和4年度の町の特定健診の結果、医療機関への受診勧奨となった加入者の割合は62.4%で県内同規模自治体の57.9%より4.5ポイント高くなっています。また、健康・医療データの分析では、基礎疾患の外来受診率は低く、基礎疾患の有病者が外来治療に適切につながってない可能性が考えられています。

・町では、特定健診で受診勧奨となった方に対して、引き続き医療機関への受診を働きかけるとともに、ジェネリック医薬品の利用やお薬手帳の活用、健康講座の開催など、今後も保健指導や健康教育に力をいれていきます。

◆令和7年度国民健康保険特別会計予算
歳入に占める国民健康保険税の割合は約19%であり、残りの約81%は県や町からの支出金などの公費です。

問合せ:国保・後期担当(1階5番窓口)
【電話】34・1111 内線314