- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県松戸市
- 広報紙名 : 広報まつど 2025年6月15日号
■重複処方のチェック
本コラムでは、市民の皆さまの暮らしや健康に身近な「薬」にまつわるエピソード、薬剤師が果たす役割についてご紹介します。
今回はその第一歩として、調剤薬局が担う重要な役割のひとつ、「重複処方のチェック」についてご紹介します。
複数の医療機関を受診していると、気づかないうちに同じ成分を含む薬や、作用の似た薬が重ねて処方されてしまうことがあります。これを「重複処方」と呼び、必要以上の薬の服用によって、副作用が強く出たり、体調がかえって悪化したりするリスクが生じます。
調剤薬局では、薬剤師が処方せんの内容を確認し、薬の重複や飲み合わせに問題がないかを綿密にチェックします。必要があれば、処方した医師や歯科医師に直接連絡を取り、処方内容の見直しを提案することもあります。
このような安全管理において、近年特に力を発揮しているのが「マイナ保険証」の活用です。マイナ保険証を利用することで、医療機関や薬局での過去の服薬履歴、健診結果などの情報が連携され、薬剤師がより正確かつ包括的に服薬状況を把握できるようになりました。これにより重複処方の予防はもちろんのこと、患者さん一人ひとりの体調や既往歴に応じた、適切で安心な服薬指導が可能となっています。特に、「お薬手帳」を持参していない方や、手帳の記録が不十分な方にとっては、大変心強いツールです。加えて多くの薬を服用している方や高齢の方にとって、このような仕組みの活用は、医療の安全性と質を高めるうえで大きな鍵となります。調剤薬局では、お薬手帳のご持参とともに、マイナ保険証の積極的なご利用をおすすめしています。
ご自身の薬の飲み方や内容に不安を感じることがあれば、お気軽に「かかりつけ薬局」へご相談ください。薬剤師は、皆さまの健康を支える身近なパートナーです。
問合せ:松戸市薬剤師会
【URL】http://www.matsudo-yaku.or.jp/