- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県南房総市
- 広報紙名 : 広報みなみぼうそう 2025年4月号
■市指定有形文化財(彫刻)
『木造天王立像(もくぞうてんのうりゅうぞう)』
所在地:久保(くぼ)587(丸山地区)
所有者:真野寺(まのじ)(真言宗)
□よみがえった天王像の勇姿
久保の真野集落にある真野寺は、今から1300年前の神亀(じんき)2年(725)に伝説的な名僧・行基(ぎょうき)(668~749)が開山したとされる寺院であり、平安時代~室町時代頃の仏像が多数保存されています。
このうち、本堂の内陣(ないじん)にある2体の天王像(開口(かいこう)像と閉口(へいこう)像)は、どちらも憤怒(ふんぬ)の形相(ぎょうそう)で甲冑(かっちゅう)を着用し、悪を威圧するように立っています。像の高さは開口像が約173cm、閉口像が約172cmで、どちらもヒノキ材の一木造(いちぼくづくり)です。両像とも、その作風から平安時代後期の12世紀頃に作られたと考えられています。
地域の仏教史を知るうえで貴重な像ですが、体の各部を欠損し、自立ができないほど傷んでいたため、令和4年4月から3年間かけて慎重に保存修理を行い、本体の補修や欠失部の復元がされました。これまで両像は、阿吽(あうん)で一対の二天王(にてんのう)像と考えられていましたが、修理に伴い調査をした結果、当初は他にも像があったことがわかり、もとは四天王(してんのう)像であった可能性が高くなりました。
□公開
・常時公開
・トイレあり/駐車場あり
*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。
問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963