健康 病気の豆知識

■膝の痛みの原因と治療
整形外科 医師 金城永俊

中高年で膝が痛くなる原因としては、膝関節の軟骨の変性や、すり減りによって骨同士がぶつかり合うことで起こる変形性膝関節症の痛み、もしくは関節リウマチのような炎症性疾患による痛みが圧倒的に多いといえます。膝関節の軟骨の変性や、すり減りの原因で多いのは、過体重です。いわゆる肥満によって膝に負担がかかり続けることで軟骨が摩耗していきます。さらに、小さな外傷を繰り返すことでも軟骨の変性が進むといわれています。日本人の多くは、O脚により膝関節の内側だけに体重がかかりやすいという特徴があり、特に女性に多いといわれています。そこに肥満による負荷、加齢や小さな外傷(ケガ)による軟骨の変性などが加わると、さらにO脚が進行し、変形性膝関節症の発症につながっていくという傾向がみられます。
若い人が膝の痛みを訴える原因で多いのは外傷によるものです。例えば、ケガによる靭帯の損傷を治療せずに放置してしまったとか、あるいは損傷した靭帯を手術で再建したものの、アライメント(各関節や骨の並び)が崩れたまま時間が経ってしまったために、膝に痛みが出ることがあります。若い人の場合の治療は、内視鏡を使って靭帯の再建や半月板の縫合などを行い、できる限り組織を残す方向で治療を行います。痛みを我慢せず、早めの受診を心がけましょう。

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