- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県大多喜町
- 広報紙名 : 広報おおたき 2025年2月号(NO.677)
■長野県小布施町と川上村の視察研修を行いました
令和6年10月1日(火)13時から16時に小布施町、翌日の10月2日(水)10時から12時に川上村の視察研修を行いました。厳しい日程ではありましたが、いずれも有益な研修となりました。以下は、質疑応答の内容も含めた両自治体の説明の概要です。
▽小布施町
常任委員会は政策審議グループとして総務産業常任委員会と社会文教常任委員会、政策立案グループとして政策立案委員会と議会広報常任委員会があり、議員(定数は14名)は両グループでいずれかの委員会に所属します。独自のものとして、議案審査の前の議員間討議があります。議案審査の段階での賛成、反対の討論だけでは伝わらないこともあり、課題を浮き彫りにして議会の活性化に役だっています。
議会基本条例は振り返りの機会となっており、基本計画も承認事項となっています。しかし、時代が進むにつれてレベルダウンが生じるので使う側の努力が必要です。
農業振興地域では農業の景観を大切にしたいと考えています。他方で、市街化調整区域は昔からある地域を大切に保存すると共に、小布施らしい景観を維持するよう努力しています。小布施ブランド、子育て世代のUターンなどで人口は維持・微減に止まっています。
小布施町の町づくりは、大きく第一ステージと第二ステージに分けることができます。
第一ステージは、「歴史を生かし、優れた生活文化を生み出す、“うるおいのあるまちづくり”」を目指しました。そこで行われたのが、北斎館などの美術館の建設、栗菓子店の活躍、町並み修景事業です。町並み保存ではなく町並み修景にすることで、地域住民が楽しく快適に暮らすことができ、結果として観光客も訪れるようになりました。
第二ステージは、「交流で得た信頼ネットワークや学びを活かし、地域課題の解決に向けて協働する“協働と交流のまちづくり”」を目指し、小布施町自立宣言をしたうえで大学・研究機関との協働、地場企業との協働を大切にしています。
▽川上村
川上村の基幹産業は農業です。栽培されている主要なものは、冷涼な気候に適しているレタス(日本一)、白菜、サニーレタス、グリーンリーフなどです。6月から8月にかけては収穫のために農繁期となっており、人口は日本人が約3500人ですが、日本人だけでは労働力が不足するため、外国人実習生が約1200人来ています。
農家戸数は、平成17年は607戸であったのに対して、令和2年は500戸に減少しています。耕作を止めても他の農家(親戚、知人・友人)がそれを引き継ぎ、農地開発も進められており、結果として大規模農家が増えています。
現在川上村では、今後の発展を図るために、各種の取り組みをしています。まず、野菜消費の拡大を図るために、物産展の開催、台湾への輸出などを行っています。次に、農業の基盤整備を進めており、有害獣対策としては村内全域を防護柵で囲んでしまっています。さらに、レタスから小物野菜への転換、ケーブルテレビによる市況情報の提供などを推進しています。川上村の農業には未来があります。
■全地区で住民との意見交換会を開催
地域住民と議会との意見交換会を開催しました。これは、従来の区要望のものではなく、議会側から呼びかけて行われたものでありました。老川地区は9月23日に21名、西畑地区は9月29日に44名、総元地区は10月27日に15名、大多喜地区は11月10日に28名、上瀑地区は11月17日に16名の参加を得ました。
取り上げられたテーマは地区により多様でした。人口減少、有害鳥獣、議員定数、道路や橋の整備・補修・草刈、休耕田、空き家、共有地などの問題は、多くの住民に問題意識として共有されました。地区固有の問題も幅広く取り上げられ、例えば簡易水道、防犯カメラ・防犯灯、指定緊急避難場所、工事用残土、神社・ポケットパークの管理、耕作放棄地などが話題となりました。他にも、目指す町づくり、大多喜城、大多喜町の課題など、全町的な問題も提起されました。
今回の意見交換会は、大多喜町議会として初の試みでした。議会が一度に多くの住民の意見を聞くことはほとんど無く、住民と議会とを結びつける良い機会となり、今後、大多喜町議会は、住民の意見を踏まえて検討していきます。
■第68回町村議会議長全国大会
11月13日、NHKホールで開催された「第68回町村議会議長全国大会」に渡辺泰宣議長が参加しました。
大会では、石破茂内閣総理大臣、長浜博行参議院副議長をはじめとする国会議員並びに吉田隆之全国町村会長から祝辞の後、「議会への多様な人材参画及び議会の機能強化」など要望37件および「東日本大震災及び令和6年能登半島地震等からの復旧・復興、原子力発電所事故への対応及び防災、減災対策の確立を求める特別決議」などを議決しました。