- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県大多喜町
- 広報紙名 : 広報おおたき 2025年3月号(NO.678)
令和7年2月25日【第8号】
大多喜町役場農林課農政係
地域おこし協力隊 渡邊未来
■住宅街のキョン対策最前線!効率化で捕獲数UPをめざす
キョンの住宅街での目撃、被害情報が増えてきています。山間部で増えたキョンが夷隅川ぞいに移動し、住宅街に入りこんで花壇や家庭菜園を荒らしているようです。大多喜町全体でのキョンの捕獲数は増えていますが、増える勢いに捕獲が追いついていないのが現状です。
捕獲を増やすには、捕獲者数・わな数を増やすことと、負担を減らし効率的な捕獲をすすめることが重要です。現在、山間部の一部地域で、住民と捕獲者の連携による『冬季キョンおり集中捕獲』を試験的に行っています。事前説明会を行い、協力者の住宅付近にオリわなを置き、見回りとエサ補充を家主の方に協力してもらうことで、わな数を増やし捕獲効率化を図っています。
■地域ぐるみで集中捕獲 効果検証中…住民目線の対策がカギ
実はR5年冬に住宅街のキョンをオリで捕獲しようとしたところ、大失敗したことがあります。カメラで隠れ場所を特定して近くにオリを置き、キョンが好きなアオキをエサにするものの何週間も全く寄り付かず…後日調査したところ、近所の住宅内に放置されたユズや夏ミカンなどが大量に落ちており、キョンたちはそれを食べていました。集落内に自生したアオキは手つかずのまま残っていました。危険で怪しいオリに近づかなくても、もっとおいしいエサがあったのです。キョンが出る場所にオリを置くだけでは効果がなく、まずおいしいエサを無くし、家庭菜園は柵で守り、オリのエサ以外は何も食べられなくする必要があることが分かりました。
ご自宅や近所で動物を目撃している地域住民の方であれば、隠れ場や通り道、エサになるものなどの情報があり、また土地管理者でもあるので、総合的な対策を主体的に進められます。捕獲後の止めさしには資格が必要ですが、それ以外の部分では住民の方々の相互協力がカギとなります。増え続けるキョンに対する捕獲効率化をめざし、効果を検証していきます。
■ご家庭でできる総合対策
▽(1)被害状況の共有
ご自宅とご近所の被害情報をまとめてみましょう。被害に気づかず、放置している方もいるかもしれません。近隣で意識を共有することが対策の大事な一歩です。
▽(2)追い払い
通り道や隠れ場にされている場所は、草刈りやヤブ払いを。見かけしだい追い払い、小石やドングリなどを投げ、人は怖いと学習させます。捕獲までの一時しのぎではありますが、人馴れさせないために重要なことです。
■町の捕獲状況
種類・R6年12月・前年同月:
・イノシシ…43頭/82頭
・シカ…73頭/73頭
・キョン…36頭/44頭
・サル…3頭/14頭
獣害対策について知りたい情報や実施しているコツなどがありましたら、精査後こちらで記事にいたしますので、ぜひご意見をお寄せください。