文化 【特集】校歌に託す想い 目黒南中学校・ 目黒西中学校の校歌をお届けします(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都目黒区
- 広報紙名 : めぐろ区報 令和7年4月1日号
この4月、第七中学校と第九中学校が統合して「目黒南中学校」、第八中学校と第十一中学校が統合して「目黒西中学校」が開校します。
新校のシンボルとなる校歌や校章、スクールカラー、標準服について、生徒たちがアイデアを出し合ったり、実際の検討や制作に参加したりして、新校の開校に向けて準備を進めてきました。
今号では、校歌に込めたさまざまな想いを紹介。母校の思い出や歴史を新校へと受け継ぐため、ワークショップや音源制作など、プロのミュージシャンと生徒たちが一緒に進めてきた校歌制作の様子をお伝えします。
■開校までの歩み
両校の開校に向けた取り組みは、区ウェブサイトでご覧になれます。
■旧校の校歌を公開
目黒デジタルアーカイブ100で、閉校した4つの中学校の校歌のほか、生徒の思い出の写真などを紹介しています。
■目黒南中学校
目黒南中の校歌はこちら
※二次元コードは本紙をご覧ください
◆校歌制作ワークショップ
目黒南中学校の校歌は東京音楽大学と連携し、シンガーソングライターの中西圭三さんと東京音楽大学教授の堀井勝美さんと共に制作が進められました。
全3回で行われたワークショップは、生徒の意見を聞きながら作詞・作曲が進められ、大学内の音楽スタジオで歌唱を録音するなど、東京音楽大学の専門性を生かした制作活動が展開されました。
・中西圭三さん
歌手活動のほか、ヒット曲「ChooChooTRAIN」などの作曲を手掛ける。
・堀井勝美さん
東京音楽大学音楽学部作曲指揮専攻「作曲」卒業。映画「ドラえもん」シリーズなど、多数の作品の作曲・プロデュースを手掛ける。
◆中西さん・堀井さんへインタビュー
▽オファーを受けた時の心境
堀井:私は、もう二つ返事で引き受けました。ワークショップで生徒たちと一緒につくり上げる中で、曲のクオリティーを保つことができるのは中西圭三さんしかいないと思い、声をかけました。
中西:こんな光栄なことはないので、「ぜひやらせてほしいです」とお答えしました。実は目黒南中の学区の地図を見た時にすぐ、僕が以前住んでいたエリアだと思い出しました。デビュー前に「ChooChooTRAIN」や「Woman」を書いていた頃で、校歌をつくりながら当時の記憶がよみがえりました。オファーをいただいた後、目黒のまちを歩きながら四季折々の景色を思い出し、生徒たちが歩んでいく道の景色をイメージできるようなフレーズを、歌の中に入れ込めたらいいなという想いがありました。
▽完成した校歌への想い
堀井:ワークショップ1回目は作詞。生徒から入れてほしい言葉を出してもらい、中西さんの想いも入れてまとめてくれました。2回目の時にはもう、おおよその歌詞とメインのメロディーが出来上がってきて、中西さんがその場で「こんな感じはどうかな」と、ギターで弾き語って。そこからもっと「こうしたい、ああしたい」とみんなで話し合いました。3回目はレコーディングに向け、ピアノ伴奏で全員で歌ったんですよね。
中西:生徒たちから挙がった言葉がすごくリアルで。日々の生活の中からとった言葉は、なかなか歌にしにくいのですが、季節感を持たせつつ歌の中に封じ込めることを心がけました。卒業式などで歌う時、思い出がよみがえってくるような歌になればと思っています。
また、歌詞の中に「七つの海をゆこう」「九思(きゅうし)の教え」という言葉を入れました。七中と九中の誇りが香り立つように、卒業生の皆さんにとっても自分たちの学校の遺伝子のようなものを感じてもらえたらうれしいです。
▽何十年も歌い継がれていくこと、新校への期待について
中西:長い歴史のある七中と九中を「暖かい風」、つまり「南の風」と捉えて歌詞に込めているのですが、新たに「風」を生めるような学校にしていってほしいですね。新しい学校だけれど、脈々と続いた歴史があっての今なんだっていうことを感じてもらえる、次の世代にバトンを渡していける歌になってくれたらいいなと思います。
◆吹奏楽音源収録
両校の吹奏楽部の生徒有志が参加して、東京音楽大学吹奏楽アカデミーの学生と一緒に校歌の音源収録が実施されました。
◆参加した生徒VOICE
・新しい校歌を聴いた時に、「自分で吹いたな」と思い出せるのがとても幸せだと思います
・プロの音楽制作現場で、音大生に囲まれて演奏できて本当に感動しました
・新しい歴史が始まるという新鮮な気持ちで演奏できました
◆めぐろプラス公開中!
校歌制作ワークショップと吹奏楽音源収録の様子を、ぜひご覧ください。