- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都目黒区
- 広報紙名 : めぐろ区報 令和7年9月15日号
民謡を楽しむ活動こそが、100歳を迎える今の生きがいです
目黒区民謡連合会相談役、たろう会会主
堀内太郎(ほりうちたろう)さん(99歳)
民謡活動を行う区内の団体で構成される目黒区民謡連合会の発起人で、区で活動している「たろう会」の会主。昭和40年代から活動を開始し、60年近く経った現在でも年4回の舞台や週1回程度の稽古を続けている。民謡を通じた仲間との交流が、長年の活動の原動力となっており、11月で100歳を迎える。
■活動のはじまりは地域の人との食事会
堀内さんが民謡を本格的に始めたのは、子育て世代だった頃。親同士の食事会で「みんなで集まるなら民謡でもやろうか」と声が上がり、その輪の中で「一番唄が上手そうだから」と推され、中心的な役割に。最初は気軽な集まりでしたが、次第に仲間が増え、師匠に弟子入りして学ぶようになりました。やがて連合会として活動を広げ、会員数は一時350人を超えるまでに成長。当時の舞台では立ち見が出るほどの盛況ぶりだったと語ります。
■気負わず、楽しめることが民謡の魅力です
「唄が上手じゃなくても、唄本を見ながらでもいい。手拍子ひとつで誰でも楽しめるのが民謡の良さ」と話す堀内さん。現在は、春と秋の文化祭に加え、めぐろパーシモンホールや区民センターで年に4回程度の舞台を開催。週1回程度、仲間とともに指導や稽古に励んでいます。
「集まる予定があるから、練習する。練習するから元気でいられる」。100歳を迎える堀内さんの健康の秘訣は、会の活動にあるのかもしれません。
■民謡の楽しさを未来につなぎたい
活動を続けられた理由を会員のかたに尋ねると、口をそろえて堀内さんの人柄の良さを挙げます。指導時は真剣そのものですが、優しく朗らかな堀内さんが中心にいたからこそ、これほど長く活動が続いてきたのでしょう。日本ならではのこの文化の面白さを、多くのかたに体験してほしい。そう願いつつ、これからも堀内さんは指導と稽古を続けていきます。
「若いかたにも、民謡の楽しさを知ってほしいです。会員一同、大歓迎します」とお話しいただきました。