くらし マージャンを通じて広がる、地域交流の輪。(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都渋谷区
- 広報紙名 : しぶや区ニュース 令和7年(2025年)8月1日号
―「頭脳スポーツ」としてのマージャンを広めたい。―
■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
「ハチ公杯渋谷区世代間交流麻雀大会」や「健康麻雀クラブ」などに携わる渋谷麻雀業組合のお二人に、マージャンの魅力や地域での活動について伺いました。
・渋谷麻雀業組合会長 岡山康行(おかやまやすゆき)さん
「思考力や戦略が問われるマージャンは、たくさんの刺激があり、仲間とのつながりも生まれます。」
・渋谷麻雀業組合理事 鈴木恵理(すずきえり)さん
「相手の表情やしぐさから状況を読み取る駆け引きも魅力の一つ。マージャンは心理戦でもあるんです。」
[マージャン(麻雀)とは?]
マージャン牌(パイ)(※1)を使って役(※2)を作り、その得点を競うテーブルゲームです。プロリーグ「Mリーグ」の発足やオンラインゲームの普及などにより、年齢を問わず競技人口が増加しています。認知症予防、集中力の維持、コミュニケーションの促進、論理的思考力や判断力の育成など、さまざまな面で効果が期待され、改めて「頭脳スポーツ」としての魅力が見直されています。
※1 数字や漢字が描かれた、マージャンの駒(札)。
※2 得点の対象となる特定の牌の組み合わせ。30種類以上あり、それぞれ点数が決まっている。
◆相手の表情から手の内を見極め、戦略を立てていく面白さ
◇自己紹介をお願いします。
岡山:渋谷区と連携し、マージャンの普及活動を行なっている渋谷麻雀業組合会長の岡山康行です。今年で満83歳になります。マージャン歴は55年で、27歳の時に両親の経営する店を継いだことがきっかけで、マージャンに関わるようになりました。全国麻雀段位審査会七段と講師資格を生かして、区内で開催される大会や教室などに携わっています。
鈴木:渋谷麻雀業組合の理事を務める、鈴木恵理です。私は幼い頃から父や兄がマージャンで遊ぶ姿を見て育ち、18歳で上京した際、岡山さんのお店の求人を偶然見つけて働き始めたことがきっかけで、マージャンを始めました。現在は全国麻雀段位審査会五段を生かして、講師としても活動しています。
◇マージャンの魅力について教えてください。
岡山:配られた牌からどのような役を作るかを考え、相手の手の内を推測しながら自分で判断していく過程がとても刺激的で面白いです。原則4人で行うゲームなので、展開が複雑で、あらゆる可能性を想定しながら戦略を立てていきます。思い通りの役が完成したときの達成感は格別です。
鈴木:マージャンは心理戦でもあります。相手の表情やしぐさから手の内を推測したり、自分の手を読まれないように振る舞ったりなどの駆け引きが魅力です。相手の表情を注意深く見て、聴牌(テンパイ)(※3)したことを察知したり、自分が聴牌したときにはポーカーフェイスを心掛けたりと、水面下のやり取りがとても面白いですね。
※3 あと1枚のマージャン牌で得点できる状態になること。
◇マージャンを通じて得られる福祉的・教育的な効果について教えてください。
岡山:高齢者にとっては、脳の活性化や認知症予防に役立つと思います。マージャンは、どのような役を作るかを考えたり、相手の待ち牌(ハイ)(※4)を予測したり、点数を計算したりと、常に頭を使うゲームです。さらに、仲間と交流する機会にもなるので、地域のつながりが広がるきっかけにもなります。また、子どもたちにとっては、思いやりや協調性、礼儀などを学ぶ良い機会になります。複数人で行うゲームだからこそ、ルールやマナーを守る中で周囲への配慮が自然と身に付きます。
※4 得点するために必要な残り1枚のマージャン牌のこと。