くらし チアダンスで始まる、第二の青春。(1)

ー仲間がいるから頑張れる。笑顔を届けるチアダンス。-

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
渋谷区を拠点に活動するシニア向けチアダンスチーム「Shibuya Iris」の皆さんに、チアダンスを始めたきっかけやその魅力、今後の目標などについて伺いました。

・Shibuya Iris講師 柳下容子(やぎしたようこ)さん
「新メンバー募集中です!一歩を踏み出してみませんか?」
・Shibuya Irisメンバー 内藤富美子(ないとうふみこ)さん
「ステージを見た孫の「感動した!」という言葉がうれしかったです。まだまだ頑張ります!」
・Shibuya Irisメンバー 丸山伸子(まるやまのぶこ)さん
「皆さんに笑顔をお届けできることがやりがいです。他では味わえない魅力がいっぱいです。」
・Shibuya Irisメンバー 阿部裕恵(あべひろえ)さん
「仲間のおかげで頑張れます。個性豊かな仲間に支えられています。」

[チアダンスとは]
組み体操のようなアクロバティックな動きのあるチアリーディングとは異なり、音楽に合わせたダンスパフォーマンスのみで構成されるスポーツです。「チア(CHEER)」は英語で「応援する」「元気づける」という意味があり、スポーツの応援を目的としてアメリカで始まりました。現在は、子どもから大人まで、幅広い世代の人が楽しめる表現スポーツとして親しまれています。

◆未経験でも大丈夫。練習もステージも楽しく笑顔で!
◇「ShibuyaI ris(シブヤ アイリス)」とは、どのような団体なのでしょうか?
柳下:区民の生涯活躍を目的に、平成30(2018)年10月に発足したシニア向けのチアダンス(以下「チアダンス」)のチームです。65歳から87歳までの22人が参加しています。私は講師を務めていて、元々はアメリカの複数のプロスポーツチームでチアリーダーとして活動していました。練習は月に4~6回、ひがし健康プラザ、かんなみの杜・渋谷、つばめの里・本町東の3か所を拠点に行なっています。チームのモットーは「元気に楽しく笑顔で踊ること」で、年に10回ほど、区のイベントに出演しています。私たちのチアダンスで誰かの背中をそっと押し、渋谷の街に1つでも多くの笑顔の花を咲かせたいという思いで活動しています。

◇チアダンスを始めた時期ときっかけを教えてください。
内藤:私は現在82歳で、チアダンスを始めて7年になります。その前は社交ダンスを少し習っていたのですが、練習会場が建て替えで使えなくなってしまって、どうしようかと思っていた時に、しぶや区ニュースでチアダンスの募集を目にしました。様子を見に行ったところ、先生の踊る姿がとても素敵で、「何も分からないけれど、とにかくやってみよう!」と思い立って、チアダンスを始めました。

丸山:私もチアダンス7年目で、しぶや区ニュースで募集を見たのをきっかけに始めました。もともとテニスなどの運動はしていたのですが、音楽に合わせて運動できたらいいなと思っていたので、応募しました。最初はどんな衣装で踊るのか少し不安でしたが、チアダンスらしいスカートに合わせて、スパッツもはけると聞いてほっとしました(笑)。

阿部:私も同じく、今年で7年目です。私は20代の時にジャズダンスをしていました。辞めてから40年以上が経ち、健康のために何か運動しなきゃと思っていた矢先に、しぶや区ニュースでチアダンスの募集を見つけました。最初はためらいましたが、先生が「未経験でも大丈夫!」と声を掛けてくださったので、安心して参加することにしました。

◆部活動のようなチームワークとステージの感動が原動力に
◇活動を続けられる原動力は何でしょうか?
内藤:足が上がらなかったり、ターンができなかったりしても、先生が明るくフォローしてくれるので、「大丈夫、私にもできる」と自信を持ち続けることができます。以前、イベントでステージに立った時に孫が「感動した!こんなに踊れるとは思わなかった!」と言ってくれた時は、とてもうれしかったです。そうした周囲の言葉も大きな原動力になっていて、チアダンスを続けていて本当に良かったと感じます。

丸山:先生は私たちが高齢者だからといって気を使わず、流行(はや)りの曲で振り付けを考えてくれますし、よく冗談を言って笑わせてくれます。おしゃべりしすぎて注意されることもありますが(笑)、練習はいつもにぎやかで楽しいですね。まるで学生の部活動のようなチームワークとステージで踊る緊張感は、なかなか味わえない、チアダンスならではの魅力だと思います。

阿部:練習に行くと、「今日も何か楽しいことがありそう!」と思えることが、まさに原動力です。練習だけでなく、チームの皆さんでランチ会や料理教室を開くこともあって、チアダンスの集まりを超えた家族のようなつながりを感じています。

◇練習で苦労されていることはありますか?また、それをどのように乗り越えていますか?
内藤:私は座骨神経痛や膝関節症を抱えていて、普段は立ち上がるのも大変なことがあります。ただ、チアダンスをしている時間は楽しいので、痛みを感じないんです。少しでも上達するように、家でもストレッチや筋肉のトレーニングをして、健康づくりにも前向きに取り組んでいます。

丸山:自分のミスでチームに迷惑を掛けられないというプレッシャーはありますが、それが逆に励みにもなっています。普段の練習以外にも、皆さんと自主練習をして、頑張っています。何より、ステージを見てくださる人に笑顔を届けることにやりがいを感じています。

阿部:私は振り付けを覚えるのがとても苦手なのですが、いつも仲間のおかげで、乗り越えられています。自主練習を企画してくれる人、振り付けをピクトグラムのような分かりやすい絵に描いてくれる人、動きの流れを図にしてくれる人など、助けてくれる仲間がたくさんいます。例えば、丸山さんはいつもステージで司会を担当してくれています。それぞれが得意なことを率先してやってくれていて、個性豊かで助け合える、とてもいいチームだと思います。

◇全国にあるチアダンスのチームの中で、「Shibuya Iris」の特色は何でしょうか?
柳下:一言でいえば、豊かな個性と、皆さんも私も、常に全力であることです。この全力のぶつかり合いが、大きな感動を生むのではないかと思っています。練習ではけがをしないように十分配慮しながら少しずつステップアップし、それぞれが自分の新たな可能性を見つけられるように指導しています。「無理をしないこと」「楽しさを最優先にすること」「人を元気にするために、まずは自分が元気でいること」の3つを常に大切にしていて、それがチームの特色にもつながっていると思います。