健康 健康コラム122

■西多摩医師会在宅安心サポート事業について
(一社)西多摩医師会会長 進藤幸雄

本格的な超高齢化社会を迎え、医療や介護の複合的問題を抱えた高齢者が増加しています。要介護状態となっても住み慣れたご自宅で生活を続けるためには、必要に応じ適宜、医療や介護が提供される包括的な医療・ケアサービスの充実が必要です。
在宅医療の中心は、医師よりも寧(むし)ろ医療、ケア双方を理解している訪問看護が中心であり、第1のセーフティーネットとして訪問看護の充実が必要です。その上で、状況に応じて往診や入院ができる第2のセーフティーネットが必要です。
一方、西多摩地域は、全国の地方都市と同様、医師不足、医療介護人材不足が深刻で、高齢者救急による負担増が課題になっています。高齢者救急の医療ニーズは、慢性疾患の再発や、介護問題の救急ニーズであることも多く、必ずしも高度な救急医療を必要としません。まずは訪問看護が対応し、その先は主治医や家族と相談し決定するなどの対応が必要です。
しかし、夜間や休日には主治医に連絡を取れない場合もあり、課題となっていました。西多摩医師会では、有志医師グループを結成し、夜間休日の訪問看護師をサポートする「西多摩在宅安心サポート事業」を立ち上げました。1.5次セーフティーネットとでもいう事業です。始めたばかりの事業で甚だ不十分ですが、さらなる高齢化社会の諸問題に備え、市民が安心して生活できる医療提供体制を目指して構築を進めていきます。

問合せ:健康センター
【電話】23-2191