健康 健康コラム125

■経口補水液の正しい使い方
青梅市薬剤師会会長 せいめい薬局河辺店 小嶋延章

今年の夏も暑くなりそうです。もし熱中症になってしまったら、まずは体温を下げることが第一ですが、同時に経口補水液があると大変助かります。もちろん水の補給は大切ですが、激しい運動をしたときや熱中症を起こしたときに、水だけを多量に飲み続けると、体の中の塩分(ナトリウム)が薄くなり過ぎて、だるさや吐き気、ひどい場合には意識を失ったりします。これを低ナトリウム血症(水中毒)と言います。
そのため、汗として失ってしまった塩分やミネラルを補給しつつ、吸収を良くするために糖分(糖+炭水化物)を含んだ経口補水液や、スポーツドリンクが好まれます。塩分の濃さが0.1~0.2%、糖分の濃さが4~8%の場合が最も吸収が早いため、経口補水液はおよそ塩分0.2%と糖分4%、スポーツドリンクはおよそ塩分0.1%と糖分8%を含みます。スポーツドリンクの方が甘く感じるのはそのためです。
ところで、夏の間ずっと経口補水液を常用している方が時々見受けられます。いくら甘くないと言っても4%の糖分は500mlペットボトルだと砂糖20g(スティックシュガー3gの7本弱)もあり、当然、肥満気味の方や糖尿病の方にはおすすめできません。さらに塩分であるナトリウムには、500ml中およそ1.5g入っており、高血圧の方の一日摂取量の目安6gのうち、かなりの部分を占めてしまいます。ふだんの水分やミネラルの補給は緑茶や麦茶に任せて、困ったときだけ経口補水液のお世話になりましょう。

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