健康 健康コラム129

■トイレが近いのは前立腺のせいかもしれません
高木病院泌尿器科 小泉雄生

今年の夏の暑さは本当に厳しいものでしたね。ようやく過ごしやすい気候になってきましたが、「涼しくなるとともにトイレが近くなった」と感じている方も多いのではないでしょうか。
医学的には、朝起きてから翌朝までの排尿回数が8回以上の場合を「頻尿」、夜間に1回以上トイレに起きる状態を「夜間頻尿」と呼びます。生活に支障がなければ受診のきっかけにはなりにくいかもしれませんが、実は前立腺肥大症が原因のこともあります。治療によって、頻尿や尿の勢いの低下、残尿感などの改善が期待できます。
前立腺は男性の膀胱(ぼうこう)の下にあり、尿道を取り囲むように位置しています。精子の運動を助ける潤滑液を分泌する役割を担っていますが、加齢とともに肥大し、尿道を圧迫することで排尿に関するさまざまな症状を引き起こすことがあります。症状が進行すると尿が出なくなり、尿道バルーンカテーテルの留置が必要な場合もあります。
治療はまず、生活習慣の見直しや薬による治療を行いますが、改善が乏しい場合や尿閉に至った場合には手術を検討します。当院では「HoLEP(ホーレップ)」や「WAVE(ウェイブ)」など、最新の内視鏡手術を導入しています。体への負担が少なく、尿道から器具を挿入して行う手術です。排尿障害のある方はお気軽にご相談ください。最適な治療法をご提案します。

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