くらし 令和7年市議会12月定例会 市長所信表明(要旨)(3)

■まちづくり分野
○東村山らしい風景の取り組みについて
市民の皆さまが魅力や誇りに感じる東村山の風景を未来につなげていくことを目的とし、令和8年度の「(仮称)東村山らしい風景ガイドライン」策定に向け取り組みを進めております。
この間、市民の皆さまに東村山らしい風景に関する心象風景の募集や現地調査、有識者へのヒアリング等を行っていましたが、このたび、令和8年1月を目途に、ガイドラインの骨子案をとりまとめたいと考えております。骨子案では、たとえば、川沿いや緑道、公園や街路樹等による連続したみどりのある空間を「みどりの回廊」とするなど、東村山らしい風景を構成する要素を複数のキーワードに整理し、類型化したいと考えております。骨子案は、オープンハウス等で公表し、広く市民の皆さまよりご意見をいただき、更に検討を深めてまいります。

○下水道事業の取り組みについて
下水道事業は、下水道使用料収入の減少や物価高騰に加え、令和8年度からの流域下水道維持管理負担金単価の大幅改定、「東村山市公共下水道ストックマネジメント実施方針」に基づく修繕・改築工事の本格化により、経営環境が一層厳しくなることが想定されます。
さらに、令和9年度から、国は、維持管理と更新を一体的に進める、いわゆるウォーターPPPの導入を、汚水管の改築に係る社会資本整備総合交付金の交付要件としています。これを踏まえ、現在、下水道の維持・管理・更新業務を委託している、東京都都市づくり公社と導入の可能性について、検討を進めているところであります。
このなかで、「東村山市下水道事業経営戦略2020」の改定作業を進めておりますが、現時点における財政収支シミュレーションでは、令和8年度以降の収益的収支は赤字へ転落し、令和8年度に約2億円の損失が生じる見込みです。安定的経営のため下水道使用料のあり方を定期的に検討し、多様な意見を反映する新たな審議機関の設置を目指し、令和8年3月定例会に審議会条例案を上程予定です。将来にわたり安定したサービスを提供できるよう、財政の健全性とサービス向上の両立にむけ、着実な企業運営に取り組んでまいります。

○公共交通の取り組みについて
市では、公共交通空白地域の解消に向け、令和7年1月から半年間、予約型乗合交通の第1次実験運行を行いました。その結果並びに並行して実施したアンケート調査や運行事業者とのヒアリング結果を踏まえ、あらためて実験運行を行う方向で、運行内容などの見直しを検討してきました。11月に開催された地域公共会議では、乗降場の追加など、運行内容等の改善案をお示しし、議論の結果、「第2次実験運行」を実施する運びとなりました。今後、予約型乗合交通を持続可能なものとしていくためには、周知が極めて重要であり、「愛称」をつけることへのご意見もいただいたところです。
そのため、予約型乗合交通を地域の皆さまに広くお知らせし、盛り上げていただくための取り組みとして、覚えやすく、親しみやすい愛称を募集することとしました。(本紙3面参照)
第2次実験運行を令和8年度の早期に実施するために、次回の地域公共交通会議および運賃協議分科会において、最終的な合意を図り、国への運行手続きを進めたいと考えております。

■教育分野
○市立小学校の教員に関する事案の経過について
市立小学校の教員が勤務校の児童に対する不同意わいせつの容疑で逮捕された事件について、当該教員は8月7日に起訴され、現在も裁判は係属中です。9月3日には別の児童への不同意わいせつの容疑で再逮捕され、こちらは不起訴となりましたが、理由は明らかにされておりません。担任学級は副校長が担任を務め、複数の教員で授業を分担し、子どもたちは通常の活動を取り戻しています。当該教員の処分は東京都教育委員会が決定しますが、市としてもこの事態を重く受け止め、市教育委員会と共に信頼回復に努め、二度と同様の事態が発生しないよう服務事故防止の徹底を図ってまいります。

○学校給食施策の取り組みについて
小学校給食調理室労働環境の改善にむけて、6月中旬から9月末まで、富士見小学校給食調理室下処理室に空調機を設置し、休憩時間の確保によるクールダウンや水分補給などの労働環境改善の検証を行いました。アンケート結果等を踏まえ、他校でも労働環境の改善となり得ることから、令和8年度より空調機の導入を計画的に進めていきたいと考えております。
青葉町の給食調理場の整備は、中学校全員給食の実施に向けて順調に進んでいます。9月3日には第1回開業準備評価協議会を開催し、今後は各分野の専門的知識を持つ委員において、事業の進捗等を適宜確認してまいります。給食調理場の愛称も「ひがっしーキッチン」に決定し、今後も生徒に親しまれる場所となるよう準備を進めてまいります。
大岱小学校給食調理室の改修工事は12月末の工事終了に向け順調に進んでいます。この間、公募型プロポーザルを実施し、6社からご応募をいただき、優先交渉権者が決定したところです。今後は、令和8年4月の親子方式による給食開始に向けて受託事業者と調整してまいります。
八坂小学校給食調理室について、この間の検討により、現在の学校の状況を踏まえると、給食調理室の増改築は困難な状況ですが、民間給食調理場「ひがっしーキッチン」を活用することで、安定的に給食を提供することが可能であると捉えております。対象校児童へは11月17日に説明、アンケートを実施し、今後は保護者説明会を予定しております。

○就学援助システムの更新について
経済的に困難なご家庭に学校でかかる教育費の一部を援助する「就学援助制度」は、地方公共団体情報システム標準化に伴い、準備を進めているところです。これまでは、窓口や郵送での提出が必要でしたが、新システムでは、住基データの連携により申請者の負担が大きく減るものと考えております。令和8年度からの稼働を目指し、保護者の皆さまには、新学期に学校から配布されるご案内をご確認いただけるよう準備を進めてまいります。