イベント よこはま彩(さい)発見(vol.32)

海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ都市横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。
今回は、横浜都市発展記念館(中区)からです。

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※本紙掲載の二次元コード参照

■戦後80年 戦争の記憶―戦中・戦後を生きた横浜の人びと―
横浜都市発展記念館 主任調査研究員 西村 健

本年は戦後80年の節目の年にあたります。昭和期の戦争は国家総力戦という形式で行われたため、国内のあらゆる物資や人的資源は戦争のために総動員されることになり、横浜市民の生活にも大きな影響を与えました。多くの市民が兵士として戦場に赴いたほか、第二次世界大戦末期には横浜への大規模な空襲により、多数の市民が死傷する悲劇が生じました。また、戦後の横浜は市街中心地をはじめとした多くの土地や建物が占領軍の接収を受け、数万もの占領軍兵士が行き交う基地の町となりました。
この状況下で、戦争によって親を失った孤児や、占領期に生まれた多様な背景を持つ子どもなど、何ら罪のない子どもたちが、戦後も戦争の影響によって、社会的な困難に直面する厳しい人生を送ることを余儀なくされました。
横浜都市発展記念館では、横浜市民の戦中・戦後における戦争被害に関する調査研究を継続して行ってきました。今回の特別展では、空襲による被害や戦争が市民生活にもたらした影響を資料や証言記録から紹介するほか、戦後の占領期にも続いた戦争被害の実態についても、子どもたちが受けた影響に焦点を当てて紹介します。戦後80年を迎え、戦争を直接体験した世代が少なくなっていく中で、その記憶を次世代につないでいくためにも、戦争が一般の市民にもたらす惨禍について、改めて考えるきっかけとなれば幸いです。

特別展「戦後80年 戦争の記憶―戦中・戦後を生きた横浜の人びと―」は、9月28日(日)まで開催中。

■横浜都市発展記念館 有料
交通:みなとみらい線「日本大通り」駅下車、徒歩すぐ。
休館日:毎週月曜日(祝休日の場合は翌平日)、年末年始

問合せ:横浜都市発展記念館
【電話】045-663-2424【FAX】045-663-2453