- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県平塚市
- 広報紙名 : 広報ひらつか 令和7年5月第3金曜日号
◇地域で子育てを見守り支えるサロン
(井上さん)よく「子どもの居場所」って言うじゃないですか。でも子どもに限らず、全ての人にとって、生きるために「居場所」は必要なんです。その点で主任児童委員が中心になって、各地区で開いている「子育てサロン」(下)は重要な役割があると思うんですよね。
(長岡さん)特に大切な役割は、少子化や核家族化が進む現代で、小さな子どもを抱えた親が孤立しないよう見守り、地域や人とつながる機会をつくることだと思います。
(中山さん)子育てサロンでは、出会って話すうちに仲良くなる方も多いですよね。親子同士が友だちとしてつながる場になっています。
(長岡さん)親子にとって「楽しかった」と記憶に残る子育てサロンになるように、私たちも盛り上げる努力をしています。サロンに通っていた保護者が、将来、子どもの手が離れた時、地域の「親子の居場所」をつないでくれたら、うれしく思います。
・親子で通える地域の居場所
市内には親子が自由に遊び交流できる場として「地域の子育て広場(サークル・サロン)」があります(2次元コード)。主任児童委員や町内福祉村が中心になり、月1回程度、0〜3歳児を対象に開いています。
金田地区の子育てサロン「どんぐり」の開催日は毎月第3火曜日。保育士や保健師、歯科衛生士を招いたり、夏祭りやクリスマス会などのイベントをしたりと、年間を通して親子が楽しめる工夫をしています。
子育てサロンには主任児童委員だけでなく、区域担当の民生委員児童委員も手伝いで参加します。新年度1回目だった4月15日は、6組の親子が参加していました。
この日のテーマは「自由あそび」。常に大人の目があるので、子どもに自由に遊んでもらいながら、親同士もリラックスして会話を楽しんでいました。参加者は「ここで皆さんと出会って友だちになりました。毎月通っています」と笑顔で話します。主任児童委員の山西笑子(えみこ)さんは「家のことや子どもの成長など、保護者がお互いのことを自由に話して仲良くなれる場となるように環境を整えています。児童委員がいるので保護者も1人にはなりません。初めてでも安心してきてくださいね」と呼び掛けます。
◆次世代に役割をつなぐ
◇継続して生まれる やりがいと信頼関係
(井上さん)「民生委員児童委員だから相談しやすい」と思ってもらうためには、ある程度年月がかかります。ただ残念ながら、平塚市の民生委員児童委員の3分の1は、改選のタイミングで辞めてしまうんですよね。
(小原さん)毎日会う訳ではないので、1期の3年間だけで関係性を築くのはなかなか難しいんです。2・3期と続けて初めて、民生委員児童委員としての活動に味わいが出てきます。
(中山さん)「1人で大丈夫!来なくていい」と言っていた方が、数年後、病気を患ったことで、1人が不安になり頼ってくれることもあります。続けていたからこそ、相談してもらえて、信頼関係ややりがいが生まれてきます。
(小原さん)委員として18年目になります。人の社会との関わり方などに変化を感じていますが、委員に求められるのが、丁寧に相手の気持ちに寄り添うことなのは変わりません。ぜひ地域活動に積極的な方に仲間になってもらいたいです。最近は仕事をしながら活動している人も増えていますよ(下グラフ)。
・民生委員児童委員 全体の内訳
◇1人で抱え込ませない 委員同士でサポート
(井上さん)さまざまな理由で、公的な支援が必要になる方もいます。ただ一人一人に人生観があるので、対応に苦労することも多いんです。1人で抱え込まないでと、委員にはいつも呼び掛けています。
(佐草さん)各地区の定例会では、相談したりみんなで対応を考えたりする時間を設けています。私の地区では委員同士のモチベーションになる、前向きな報告も積極的にしてもらっています。
(小原さん)活動の基本は「きづく・つなぐ・みまもる」。この基本にある通り、「対応できるところにつなぐこと」も役割なんです。私たちの存在が「安心する」と感謝の言葉をくれる人たちがいます。民生委員児童委員として「できること」で、今後も地域に寄り添っていきたいです。