- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県茅ヶ崎市
- 広報紙名 : 広報ちがさき 2025年(令和7年)12月1日号
障がいのある方が日常生活で感じる「困りごと」の中には、周りに気付かれていない意外な障壁がたくさんあります。冊子「障がいのある方の困りごとを知って誰もが暮らしやすい茅ヶ崎に!」の改訂版を作成した、茅ヶ崎市自立支援協議会当事者部会(カラフル)の皆さんにお話を聞きました。※敬称略
Q.当事者部会(カラフル)とは?
臼井:茅ヶ崎市自立支援協議会は、障がいのある方の地域生活を支援するため、市と関係各機関が地域課題の共有や連携の緊密化を図る目的で設置されています。私たち当事者部会(カラフル)は、障がいのある当事者の目線で、障がいへの理解を促進するための活動などを行っています。
Q.日常生活で、実際にある困りごとは?
飯田:外出時に点字ブロックを白杖で探ると、凹凸がすり減っていることがあり、曲がり角で方向が分からなくなります。他にも道路の段差が極端に大きかったり、マンホールの縁に白杖がひっかかってしまったりと危険がたくさん。以前、「白杖は傘感覚でしょ」と言われてショックを受けました。白杖は私たちにとって「命綱」です。自転車の車輪や電車のドアに挟まって折れたり、なくしたりすると命を失う危険もあるのです。
石井:私は自動車の運転をしますが、障がい者用の駐車場に(一般車が駐車しないように)ポールが立てられてあり、係員も不在で自分で動かせないことがあります。歩くときも、狭い歩道で草木がはみ出していると杖を持って通れません。一番怖いのは、歩きスマホ。避けられず転びそうになります。
松本:自転車に乗りながらのスマホやイヤホンも怖いですね。ぶつかりそうになっても声が届きません。
安藤:私は友人と飲食店に行くのが好きなんですが、盲導犬同伴で入店を断られてしまうことがあります。まだまだ理解が十分でないところも多いです。初めて行くお店には、事前に電話をかけて盲導犬が入れるか確認しています。
Q.サポートしたいけど、方法が分からず躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。どうすればいいでしょうか?
臼井:視覚障がい者の集まりの中で、街中で白杖を持って右往左往していた時に声を掛けてもらい、助かったという話を聞いています。
安藤:まず見守って、危険なときや困っている様子のときに声を掛けてほしいです。
飯田:後ろからリュックを引っ張られたり、白杖を持たれたり、耳元でいきなり話しかけられたりするとびっくりします。肩を軽くトントンと叩いてから、少し距離を取り、話し掛けてもらえると安心します。
安藤:挨拶するときも、名前を呼んで、名乗っていただけると分かりやすくて助かります。
石井:私は転んだら一人で立てず、手助けが必要です。以前、起こしていただくときに、「体に触れていいですか?」と言ってくださった方がいて、やさしい一言だなと思いました。
Q.冊子「障がいのある方の困りごとを知って誰もが暮らしやすい茅ヶ崎に!」作成の目的は?
飯田:まずは、障がい者が何に困っているかを知ってもらいたいです。「視覚障がいは情報障がい」といわれる通り、情報が見えない・探せないことへの不安が大きいです。でも、事業者や周りの方のちょっとした配慮で困りごとが改善できることがあります。
臼井:最近では、バス乗り場で行き先のアナウンスが聞こえるよう、先頭に視覚障がい者が並べる表示をしている事例もありますね。
安藤:事業者の方もどんな配慮が必要なのかを知りたいのかもしれませんね。障がいのある当事者が困りごとを発信していくことで、適切な支援につなげていただけると嬉しいです。
松本:精神障がいや発達障がいなど外見から分かりづらい障がいもありますので、参考になればと思います。
臼井:この冊子を事業者の方だけでなく、市民の皆さん、ボランティアや学校の授業、行政研修、企業研修などに幅広く活用してもらいたいです。
Q.誰もが暮らしやすいまちにするには?
石井:街中での露骨な視線や言葉には傷付きます。ハード面での整備も必要ですが、「みんな違っていていいんだよ」と理解し、受け止める力を教育していくことも大切だと思います。
●当事者部会(カラフル)の皆さん
※所属メンバーは7人
飯田さん:視覚障がいといってもさまざまで、私は状況により白杖を使います
安藤さん:仕事や外出など、いつもアイメイト(盲導犬)と一緒です
松本さん:当事者部会に精神障がいの方がいないと聞き、少しでも力になればと活動しています
臼井さん(部会長):今は視力も落ちてきて、視野も狭くなっていますが、普段は白杖がなくても大丈夫です
石井さん(副部会長):外出の時は、両下肢補装具と杖が必需品。自分で車も運転します
■障がいへの関心と理解を深めよう〜障害者週間にちなんださまざまな取り組み〜
□冊子「障がいのある方の困りごとを知って 誰もが暮らしやすい茅ヶ崎に!(外出編・通院編)」を見てみよう!
冊子を展示・配布します。
日時:12/5(金)~12(金)8時30分~17時
※土・日曜日除く
場所:市役所本庁舎市民ふれあいプラザ
□ちがさき障がい者支援アプリのトップ画面用の絵画作品を選ぼう!
ちがさき障がい者支援アプリのトップ画面に使用するため、障がいのある方から公募した絵画を2会場で展示します。よいと思う作品に投票をお願いします。
日時:
(1)12/1(月)~12(金)9時~18時
(2)12/5(金)~12(金)8時30分~17時
※土・日曜日除く
場所:
(1)道の駅湘南ちがさき2階キッズスペース付近
(2)市役所本庁舎市民ふれあいプラザ
□カフェドットコムのコーヒーがお得に
障がいのある方の就労を支援するカフェに行ってみませんか。期間中、ブレンドコーヒー通常価格200円を100円で提供。
日時:12/3(水)~12(金)10時~15時30分L.O
※土・日曜日除く
場所:カフェドットコム(市役所本庁舎市民ふれあいプラザ隣接)
□「ふれあい作品展」の開催
茅ヶ崎市地域作業所連絡会の各事業所などで制作された手芸・陶芸・木工作品などを展示・販売します。
日時:12/8(月)~12(金)9時~17時
※12(金)は9時〜16時
場所:市役所本庁舎市民ふれあいプラザ
問合せ:茅ヶ崎市地域作業所連絡会
【電話】50-0191(地域活動支援センターパインナッツ)
□「みんなにやさしいお店ちがさき」協力店舗等を募集中
障がいのある方から社会の中にあるバリアを取り除くために、例えば「耳が聞こえない・聞こえづらい人に対して、筆談で対応する」など、できる範囲で合理的配慮を提供し、障がい理解の普及啓発を実践していることを宣誓する店舗等を募集しています。宣誓すると掲示用ステッカーを贈呈する他、ちがさき障がい者支援アプリ内「やさしいマップちがさき」へ掲載します。
問合せ:障がい福祉課
【電話】81-7160
