くらし 障がいを知る、理解する 誰もが私らしく暮らせるまち(2)

■障がいがあっても 私らしく暮らす 働く場所がある
市内にある、障がい者向けのグループホームと就労支援施設の様子を紹介します。

●グループホーム
▽一人一人の意思を尊重しどう暮らしたいかを模索
市内に6棟ある、知的障がい者が入居するグループホーム「ジャストサイズ」。入居者は、日中を市内の通所施設、夜間や休日をグループホームで過ごします。親の高齢化などにより自宅での生活が難しくなっても、住み慣れた地域で生活を続けられるよう、職員が入居者の暮らしを支えています。
障がいがあってもなくても、暮らしやすさは一人一人違うもの。ジャストサイズでは、1棟6人の共同生活とはいえ、それぞれのペースやルールを尊重しています。また、ささいなことでも入居者が自ら決めることを促し、自分でできることを増やせるような工夫も。「例えば、朝食の飲み物は牛乳かお茶かを選ぶ、洗濯機や炊飯器のスタートボタンを押す。そんな小さな意思決定や経験を積み重ねることで、ここは自分の居場所だと認識でき、主体的に暮らせるようになります。そして“こんな風に生きたい”という、本人が希望する生き方を一緒に見付けていきたい」と、管理者の菊池さんは話します。
入居10年になる人に住み心地を聞くと「最初は緊張したけれど、今は自分の部屋でのんびり過ごす時間が一番落ち着く」と満面の笑み。部屋の掃除や洗濯も、職員に手伝ってもらいながら自分で行っています。
逗子は昔から“地域で暮らす”ということを大切にする、すばらしい地域と言う菊池さん。「グループホームで暮らす人も、地域で暮らす一員として温かく見守ってもらえるとうれしいです」

▽入居者の笑顔が職員の喜び 共に成長していきたい
ジャストサイズ
管理者 菊池 一美さん
本人の気持ちが分かりづらい分、うれしいときの笑顔や集中している姿など、感情や意思が見られることが喜びです。入居者の皆さんの成長は、職員の成長にもつながっています。

●就労支援施設
▽仕事を通して広げていく 前向きな気持ちと可能性
主に精神障がいの人を対象にした、就労継続支援B型事業所「リサイクルショップカモミール」。心の病を抱えながらも、働く意欲のある人たちが利用する就労支援施設です。リサイクルショップの運営をはじめ、ちらしの封入から配達、お寺の清掃や個人宅の草むしりなど、さまざまな作業を地域から請け負っています。スタッフのサポートを受けながらも、その仕事ぶりは丁寧で細やか。「頂いた仕事なので、皆さんにはきちんと成果が出るようお願いしています。できていないときは、やり直してもらうこともあります」と話すのは、スタッフの五十嵐さん。中には、ここでの仕事で自信をつけ、一般就労する人もいるそうです。
ここで働く利用者の一人は「最初に見学したときに言われた『働く覚悟はありますか?』という所長の一言が、今でも印象に残っています。どんな仕事でも頑張ろうと思えた一言で、皆さんと助け合いながら働いています。また、屋外作業のとき、近所の人に『御苦労様』と声を掛けてもらえるのが励みになります」と話します。他にも「一人で病院通いの日々だったので、ここで話せるのが楽しい」「仕事以外のことまで、スタッフに何でも相談できて心強い」と、笑顔で話す人も。
リサイクルショップの商品は、全て寄付。五十嵐さんは「地域の方からの支援がとても有り難い。障がいがある人の働く場でありながら、地域の人も自然に集える場所であり続けたい」と話します。

▽働くことで元気になる 意欲と作業をサポート
リサイクルショップカモミール
スタッフ 五十嵐知子さん
スタッフがサポートしながら、一人一人の個性や希望に合った作業を行ってもらっています。つらい思いをしていた方が、ここに通って働くことで元気になっていく。その姿がうれしいです。

●施設へは仕事の依頼ができます
障がい者就労支援施設は、個人でも仕事の依頼ができます。詳細は市ホームページまたは各事業所のホームページを確認してください。
【ホームページ番号】1004281