くらし 連載市民インタビュー 人生のへそは逗子にあり

身の回りの人々や地域の環境、そして自分自身を信じ認めて前向きに生きる市民に、このまちで生きる意味を聞きました。

■竹から広がる環境や防災への好循環
逗子竹活 代表
内山 学さん(沼間)

市内の竹林を整備し、間伐した竹を使って竹細工を楽しむ「逗子竹活」。代表を務める内山さんの呼び掛けで2022年に発足し、活動を続けている。

▽逗子の竹で楽しむ竹細工と竹林整備
学生時代から興味があった竹細工。3年前に知人から習う機会に恵まれ、逗子の竹を使って技術を深めた。同時に、放置竹林と化した逗子の竹林の現状を目の当たりに。「放置された竹林は地下茎が弱り、枯れた竹が積もると土砂崩れのリスクが高まります。古い竹は間伐し竹林全体を元気な状態に保つことが重要」と危機感を募らせた。そこで、主に3年目以降の古い竹を使う竹細工を、材料のら調達する“竹活”を考案。竹細工に興味がある人が集まり、市内各所の竹林整備にも喜んで参加している。
一方で課題もある。一本の竹から竹細工に使えるのはわずかで、種類も限られる。使えない竹の活用法を模索し、除湿や消臭、土壌に混ぜると水はけをよくする効果もある竹炭に注目。また、若い竹を使ったメンマ作りにも力を入れている。「逗子の竹で作った商品が市の特産品になれば。材料調達の竹林整備は防災になり、整備した美しい竹林が観光名所になるかもしれない。竹を楽しみながら、結果的にまちの魅力向上になっているのが理想です」。

▽ドローンを活用し地域の防災活動も
竹活のほか、ドローン撮影や防災士としても活動する内山さん。上空から撮影できるドローンは、竹林調査や整備計画に活用している。また、「災害時、被害状況の把握にも役立つ」とドローン撮影ができる仲間を募り、自ら防災士の資格も取得。市立小中学校の防災教育や避難所運営訓練などにも積極的に参加している。

▽このまちをよくしていきたいから
15年前逗子に移住。自宅と職場の往復の日々が、コロナ禍のステイホームで地域に目が向くように。「このまちの環境も防災力も魅力も、皆でよくしていきたい」と活動に励む。竹活が持続可能な活動になるよう、後継者も育てたいと考えている。
*「逗子竹活」も参加する、ずしグリーンライフフェスは21ページに掲載。