文化 自然歳時記

■ジャコウアゲハ(アゲハチョウ科)
エゴノキの花の蜜を吸っているジャコウアゲハは、羽を開くと10センチほどの大きさで優雅に飛ぶ。名の由来は雄(写真)の発する匂いが、じゃ香に似ているから/ぼうさいの丘公園で見つけた。

野山で白やオレンジの花が咲き、ジャコウアゲハやハナアブが楽しげに飛び回っていた。
このチョウは羽が少し透けたように見え、黒と赤のコントラストが美しい。前羽が傷つき尾状突起は取れそうだが、その美しさに時がたつのを忘れて見入ってしまう。
幼虫時代に食べるウマノスズクサ類が生えている場所の近くに限り、よく見られる。ウマノスズクサには毒成分がある。成虫になっても毒を蓄積しているおかげで、天敵の鳥などから危険回避をしている。長年培ってきたジャコウアゲハの不思議な知恵に感心する。

写真・文:吉田文雄

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