文化 あつぎ郷土博物館連動企画 學藝員のススメ 第69回

博物館の学芸員が、あれこれを語り倒すコーナー。

■江就記(ごうしゅうき) 毛利氏発祥の地あつぎ
山岡 裕子
毛利氏が、厚木市にゆかりのある一族なのをご存じですか。
江就記は、戦国大名・毛利元就のことを書いた江戸時代の書物です。桓武天皇から起こり、大江広元、毛利季光を経て、毛利元就が中国地方を治めるまでの経緯や実績を記しています。
鎌倉時代の初め、大江広元は京都で官僚としてキャリアを重ねていましたが、源頼朝に招かれて鎌倉へと下りました。鎌倉幕府の体制づくりなどで活躍し、頼朝から下毛利荘をたまわっています。
この下毛利荘は現在の市内の大部分を占める地域を指しています。広元の四男・季光へと譲られ、下毛利荘から「毛利」と名乗るようになりました。その後、宝治合戦で執権・北条氏に敗北。毛利荘を失いますが、毛利という名字は残り、後に元就や輝元が生まれ活躍しました。
毛利氏と市のつながりを示す史料はあつぎ郷土博物館で展示中です。2026年1月24日からは毛利氏に関する展示会を開催します。お楽しみに。

問合せ:あつぎ郷土博物館
【電話】225-2515