- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県厚木市
- 広報紙名 : 広報あつぎ 第1458号(2025年11月1日発行)
家庭内の問題が複雑に絡み生じる児童虐待は、どの家庭でも起こり得ます。背景には、保護者自身の地域からの孤立などが考えられます。周囲の支援を求めている場合もあるので、周りの人たちが寄り添うことが大切です。
昨年、市が受け付けた児童虐待などの相談件数は409件でした。虐待は、子どもの心身を深く傷付けるだけでなく、トラウマ(心的外傷)が残った場合は人間関係を築きにくくなるなど、健やかな成長や人格形成に大きな影響を与えます。防止するには保護者だけでなく、地域全体が関心を持って見守ることが重要です。
◆みんなで子どもたちを見守る
虐待は、殴る・蹴る・たたくなどの「身体的虐待」、無視する・大声で怒鳴るなどの「心理的虐待」、食事を与えない・育児を放棄するなどの「ネグレクト」、わいせつ行為を強要するなどの「性的虐待」に分けられます(下記参照)。
虐待が発生する背景には、夫婦間のトラブルや経済的問題、保護者が過去に受けた虐待などの問題が複雑に絡み合っているほか、配偶者やパートナーに対する家庭内暴力(DV)が子どもに及んでいる場合があります。「立派な大人に育ってほしい」と、「しつけ」や「教育」のつもりが行き過ぎてしまい、虐待に発展するケースもあります。いずれも家庭内で起きるため、近所や職場など周りの人たちが気付き、手を差し伸べることが大切です。
厚木児童相談所の高木聡所長は、「共働き世帯が多くなった現代では、仕事と育児の両立に苦労している場合が多い。『自分たちだけで育児をしている』と、保護者が感じる地域からの孤立感やストレスから、虐待してしまうこともある。日頃から周りの人たちが『元気なお子さんですね』と声を掛けるなど、温かな気遣いの積み重ねが虐待の防止につながる」と話します。子どもに傷やあざがある時やひどく落ち込んでいるのを見た時などに「もしかして」と思ったら、市・県などの相談機関に連絡してください(下記参照)。
◆一人で悩みを抱え込まない
「子どもにつらく当たってしまう」「育児の方法が分からない」など子育ての中で感じる不安やストレスは、決して特別なものではありません。市では、相談員が一人一人に寄り添って共に解決方法を探すなど、相談体制を整えています。相談しづらい時は、自分の気持ちをノートに書き出したり、ゆっくりお風呂に入りリラックスしたりするのも効果的です。
11月は「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」期間です。悩みや不安は一人で抱え込まず、友人や家族などの周りの人、市などに相談しましょう。
■不安やストレスを感じたら
子育てでストレスや悩みを抱えた時に試してみましょう。解決しない場合は相談してください。
▽解消方法の例
・深呼吸をする
・トイレなど一人になれる場所にこもる
・一時預かりを活用し、子どもと離れる時間をつくる
・夫婦で役割を分担する
・自分の気持ちをノートに書く
・完璧を求めないようにする
・ゆっくりお風呂に入ってリラックスする
■虐待の種類
児童虐待は、大きく4種類に分かれます。「しつけ」は子どもの成長を助けるために必要ですが、子どもの心と体を傷付ける行き過ぎた行為は「虐待」となります。
▽身体的虐待
・殴る、蹴る、たたく
・激しく揺さぶる
・どこかに閉じ込める
▽心理的虐待
・大声で怒鳴る、脅す
・きょうだいで差別する
・子どもの前で家族に暴力を振るう
▽ネグレクト
・必要な治療を受けさせない
・食事を与えない
・不潔なままにする
・自動車の中に放置する
▽性的虐待
・性的な行為を強要する
・子どもに性的行為を見せる
・ポルノ画像などの被写体にする
◇相談受付数の推移

◇相談の内訳(2024年度)

■各種相談ダイヤル
《虐待の疑いがある時》
▽平日の場合
・こども家庭センター
【電話】221-0181
受付時間:9~17時
・厚木児童相談所
【電話】240-6430
受付時間:8時30分~17時15分
▽休日・夜間の場合
・子ども・家庭110番
【電話】0466-84-7000
受付時間:9~20時
・児童相談所虐待対応ダイヤル
【電話】189
受付時間:24時間
《DV相談ダイヤル》
・こども家庭センター
【電話】221-0182
受付時間:平日9~17時
一刻を争う時は迷わず警察(110番)へ連絡してください。
問合せ:こども家庭センター
【電話】225-2244
