くらし 〔特集 2026新春特別企画〕小田急電鉄 鈴木社長×開成町長 新春特別対談(1)

■選ばれる沿線、住み続けたいまち
昨年2025年は、開成町町制施行70周年、小田急線開成駅開業40周年の記念すべき年となりました。開成町と小田急電鉄の連携が描き出す「地域の未来」とはー

▽100年先も、小田急にしかできないことを
鉄道インフラ×都市開発×観光・生活サービス

小田急電鉄株式会社 取締役社長 鈴木 滋(すずき しげる)
1988年、小田急電鉄入社。グループ経営部長、小田急リゾーツ取締役社長を経て、2022年より常務取締役就任。2024年から現職。神奈川県出身。

▽力を合わせ、もっと愛されるまちを
開成町長 山神 裕

○小田急電鉄が思い描く「沿線の未来図」
山神:本日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、開成町にとってまちづくりの最重要パートナーである小田急電鉄の鈴木社長に地域の未来についてお話を伺います。御社は今、「地域価値創造型企業」というビジョンを掲げられていますね。ここにはどのような思いが込められているのでしょうか。
鈴木:よろしくお願いします。2027年4月には、小田急線開業100周年を迎えます。開業以来、鉄道という「インフラ」を持ちながら「都市開発」をし、「観光・生活サービス」の提供を通じて、沿線地域の皆さまとともに歩み、発展してきました。この幅広い分野の事業の「かけ合わせ」によって地域の課題に寄り添い、解決することで地域とともに成長していく。それが「地域価値創造」です。
山神:少子高齢化・人口減少という局面において見えてきた地域課題がある一方、コロナ禍によって社会全体のあり方も大きく変わりました。
鈴木:ベッドタウンと都心を結ぶという従来型のまちづくりだけでは成り立たなくなってきています。これからは「地域単位」というまとまった範囲で物事を考えていく必要があります。現在の小田急の沿線人口は約520万人、将来的にも500万人を維持する見通しで、人の動きも活発な恵まれたエリアです。地域単位ごとに生活に必要な機能を設けることで、各地域の中でも暮らしやすいまちづくりを進め、沿線全体の暮らしを豊かにするためのサービスを提供していきます。
山神:「暮らしを豊かにする」という点で、非常に心強く感じているのが「子育て応援ポリシー」です。開成町も「子育て支援」を最重要施策としていますが、御社がここまで明確に子育て応援を打ち出されたことには驚きました。
鈴木:かつては、いかに多くのお客さまにご利用いただくかが最大の命題でした。しかし、これからの人口減少社会において選ばれる沿線になるためには、「お子さまに優しく、愛される鉄道」でなければなりません。その具体策が、ICカード利用時の小児運賃一律50円であり、子育て応援車両の導入です。
山神:「こども運賃50円」はインパクトがありました。聞き間違いかと思いましたから(笑)。
鈴木:すごい反響をいただきました。ここにいる「もころん」も、子育て応援のシンボルとしてデビューし、お客さまに喜んでいただいています。「子育て応援ポリシー」を旗印として、様々な方と協力しながら、子育てしやすい環境づくりに取り組んでいきます。
山神:子育て応援に加え、近年では廃棄物収集業務を効率化する「WOOMS」など、デジタルを活用した地域課題解決にも注力されています。
鈴木:自治体や住民の皆さまの「お困りごと」は、我々の課題と重なる部分も多く、解決にはデジタルの力が有効だと考えています。我々は100年先もこの沿線にいます。持っている力をかけ合わせながら、地域の皆さまと膝を突き合わせて課題を解決していく。それは、小田急にしかできないことだと考えています。

・「子育て応援」の取組
小児ICカード利用時の小児運賃一律50円の取組は、全国の鉄道会社で初めての試みとして2022年にスタート。

・地域課題をDXで解決する取組
「WOOMS(ウームス)」は、小田急電鉄が開発したデジタルソリューション。「ごみ収集」×「テクノロジー」で、まちをきれいにする仕組みです。