文化 文化財あれこれ(8)

■重要無形文化財「小千谷縮・越後上布」の技と歴史(1)
重要無形文化財とは、国にとって歴史上または芸術上価値が高く、古くから守り伝えられてきた人間の「技」そのもののことをいいます。南魚沼市では、「越後上布」製作技術が指定を受けており、越後上布・小千谷縮布技術保存協会が保持団体に認定されています。
越後上布は苧麻(ちょま・からむし)を原材料に織り上げられる麻織物で、夏着物の生地として知られます。苧麻の繊維は乾燥すると切れやすくなるため、製作中は湿度を高く保つことが必要です。魚沼地方の冬期間は降雪により多湿な環境なり、乾燥に弱い苧麻で機織りをするのに最適でした。また多量の積雪は織り上がった布を洗う水となり、雪上の晒し場となり、他にはない白さと柔らかさを生み出したのです。
越後上布の製作工程は多数あり、いずれも繊細で高度な技によるものですが、その中で「糸づくり」「手くびりによる絣」「地機による製織」「湯もみ・足踏み・雪ざらしによる仕上げ」の技術は非常に特徴的で、古来の製法を現在に伝える重要なものとされています。保存協会では当地が誇るこの技術の保存・伝承に長年努めてきましたが、昨今の少子高齢化に伴い職人の後継者育成が課題となっています。南魚沼の気候・風土が育んできた最高の手技を次世代へとつないでいきたいものです。

●第31回重要無形文化財保持団体秀作展「日本の伝統美と技の世界」
「小千谷縮・越後上布」をはじめ全国の重要無無形文化財保持団体に認定されている16団体の作品が新潟県に16年ぶりに集結します。各地で製作される日本の技による作品をご覧ください。
会期:11月7日(金)~12月21日(日)
※月曜日休館
会場:新潟県立歴史博物館(長岡市関原町)
入場料:無料
※ただし常設展観覧には観覧券の購入が必要
併設展示:冬期テーマ展「小千谷縮・越後上布の手しごと」

▽付帯事業 パネル展「重要無形文化財保持団体とは」
会期:11月1日(土)~14日(金)
会場:南魚沼市図書館展示コーナー

問合せ:社会教育課文化振興係
【電話】773・3756