文化 特集(2) ふくい千年文化

歴史、文化、豊かな自然…。
ふるさと福井が育んできた これまでと、これからの千年を訪ねます。

■Vol.3 海と都をつなぐ往来文化 御食国若狭と鯖街道
「小浜市・若狭町」
古くは「御食国(みけつくに)」として都の食を支えてきた若狭。食と共に物資や人が往来し、街道には多彩な文化が生まれました。そのストーリーは全国で唯一「日本遺産プレミアム」に選定されています。
起点となる湊町・小浜には様々な物資が集結。近世初頭には小浜市場も整備され、流通の一大拠点となりました。市場の記録「生鯖塩して担い京に行き仕る」からも、当時の様子がうかがえます。
この“一塩“の海産物が京へと運ばれるルート(鯖街道)の中で、最大の物流量を誇ったのが「若狭街道」です。その中継地として繁栄した熊川宿では、背負いの運びや物資を積んだ牛馬が行き交いにぎわいました。現在も宿場町の面影を残す建物が建ち並び、人馬の飲み水などに使われた「かわと」とよばれる水路には、清らかな水が静かに流れています。
こうして多彩な文化遺産を育んだ鯖街道には、近年、古い建物を活用した宿泊施設やカフェなどが続々誕生。歴史にあやかったグルメや文化を気軽に楽しめます。熊川宿では子どもや障がい者、現代美術の作品を展示した「熊川宿若狭美術館」が、新しい美術文化を発信。1500年の歴史を今に伝える街道では、新旧多様な文化に出会うことができます。

◇TOPIC「日本遺産」と「プレミアム」
「日本遺産(Japan Heritage)」は、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを、文化庁が認定するものです。「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」は2015年に日本遺産の第1弾のひとつに認定されました。さらに24年には最上位ランクとなる「日本遺産プレミアム」に全国で唯一選ばれています。

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