文化 障がいは不自由じゃないって アートが教えてくれた(2)

◆アート鑑賞は気軽に自由に
画廊「夕方画廊分室ニホ」を運営する岡本京美さんは、かつて障がいのある人やこどものアート作品展を企画したことをきっかけに、その魅力に引き込まれました。岡本さんにとってアートとは、「自分の表現に思いを強く抱く人たちが、一生懸命、模索しながら創作を行うこと」。「こどもでも高齢者でも、障がいのあるなしも関係ない。そこには一つの同じ土俵があるだけ」と言います。
アート鑑賞のポイントは「自由」。障がい者アートは、観る人に「何かを読み解かないといけない」とか「知識や教養が必要」といった、余計な緊張感を与えないところが魅力だと言います。岡本さん自身は、勢いのある筆致や、ときに線がはみ出し、色が重なり合う様子などに、「どんな景色が見えていたんだろう」と、描いているアーティストの姿を想像しながら楽しむそうです。
「障がい者アートだから、感動しなきゃなんて気負う必要もない。触れてみて、何も感じなければ、それでも全然構わない。でも、きっと、鑑賞したあなたの心には、『何か』が残るはず」
気軽に自由に、ちょっと気になった作品やパフォーマンスに触れることから始めてみることを勧めてくれました。

◆その人にしかできない表現がある
舞台芸術を中心に、さまざまな文化事業を行う(特非)福井芸術・文化フォーラムは、「みんなで舞台に立とう」を広げる会の活動を、立ち上げのころからサポートし、障がいとアートをテーマにしたワークショップやトークセッション、勉強会なども継続的に行ってきました。
事務局の荒川裕子(ゆうこ)さんは、「舞台芸術を観るときは、余計なことを考えずにそのままを感じればいい。演者の動きや表情には、その人にしかできない、その人自身の表現がある」と、その魅力を語ります。
鑑賞、応援、支援など、障がい者アートへの関わり方はさまざまで、自由です。皆さんも、その世界に一歩足を踏み入れてみませんか。

◆福井市障がい者芸術文化祭2025
ハピテラス、ハピリンで10/25(土)初開催!
アートには、障がいのあるなしに関係なく、全ての人が幸せに生活できる「共生社会」を実現する力があります。文化祭では、さまざまなアーティストのステージ発表や、魅力あふれる作品に出会えます。障がい者アートの世界をのぞいてみましょう!
福井市長 西行茂

問合せ:障がい福祉課
【電話】20-5435【FAX】20-5407