スポーツ 特集 湖と、人と、まちが漕ぎ出す-聖地が紡いだ、天皇杯10連覇の航跡-3

■前人未踏の偉業-競技別天皇杯10連覇
令和7年10月に、滋賀県で行われた第79回国民スポーツ大会ローイング競技で、福井県は競技別天皇杯(男女総合)で平成26年の長崎国体から続く10連覇、皇后杯(女子総合)で平成28年の岩手国体から続く8連覇を達成しました。同競技では、町内在住者や出身者の活躍が目覚ましく、偉業達成に大きく貢献しています。

▽競技別天皇杯・皇后杯の決定方法
国民スポーツ大会ローイング競技の総合成績は、男女総合成績(天皇杯得点)及び女子総合成績(皇后杯得点)に分けられ、競技得点と参加得点の合計が多い都道府県順に順位が決められます。
競技得点は、種目別に配分が異なり、選手が1人で出場するシングルスカルは、1位が8点に対し、コックスを合わせて5人の選手が出場する舵手つきフォアと舵手つきクォドルプルは1位に40点が与えられます。
このようにして獲得した競技得点に、ブロック大会を含む本大会に参加した都道府県に与えられる参加得点10点を加算した合計得点で争われています。天皇杯と皇后杯を獲得するには、得点配分の高い種目で上位入賞することが重要となります。
福井県は、ほとんどの種目で上位入賞を収め、特に舵手つきフォアと舵手つきクォドルプルでは、中学時代から築き上げた水上で艇を動かす個の感覚を結集したチームワークの良い漕ぎで、多くの得点を獲得しています。

-総合成績決定方法-

◆全国の頂点に立ち続けられる理由(わけ)
ローイング競技で福井県勢が頂点に立ち続けられる理由は、久々子湖での練習環境と国スポで勝つために行われる高校等の垣根を超えたチーム編成にあります。
県内すべての高校ボート部が、久々子湖を拠点に活動し、互いに連携を取り合うことで、競技レベルの底上げが図られ、強い選抜チームが持続し、成績を残し続けることができる要因の1つとなっています。
また、2つ目の要因として県勢クルーは、選手個人の身体能力や年間を通して行われるシングルスカルのタイム計測結果等を基に、各チームの指導者がミーティングを重ね、選ばれた選抜クルーであることです。少年の部(高校生)では、国スポ終了後から翌年の国スポに向け県内すべての高校ボート部が集まり、合同でシングルスカルのタイム計測や計画的な合宿、選考レースを経て選手を選抜し、強化を図っています。
平成初期までは、単独校の弱点を他校の有力選手で補強する形でクルーが組まれ、短期間の猛練習で国スポに出場していました。しかし、人口の少ない福井県が県外の強豪に勝つため、チームの垣根を超えた選抜クルーの編成を始め、各校の指導者たちが練習方法を公開し、指導等の方向性を統一して選手の育成、強化を行い、県全体のレベルアップを図っています。

■町に根付いたローイング文化をまちづくり・地域の活性化へ
昭和43年の福井国体でローイング競技が久々子湖で初めて開催され、57年が経ちました。今日まで、町技としてローイング文化が町に根付いたのは、競技の普及にご尽力いただいた関係者の皆さん、惜しみない努力を費やし、数々の功績を残された選手や指導者の皆さん、そして、町民の皆さんのご理解、ご協力があったからこそと、深く感謝いたします。
昭和63年から始まった美浜町民レガッタも、多くの町民の皆さんにご参加いただき、「ローイングの町美浜」を象徴する日本最大級の市民参加型レガッタとなりました。大会を通じて、広く町民の皆さんにローイングに親しんでもらうことで、競技の普及や地域の活性化につながっています。そして、紡いできたローイング文化に花が咲き、第79回国民スポーツ大会では、多くの本町関係選手が活躍し、天皇杯10連覇という前人未踏の金字塔を打ち立てることができました。この歴史的偉業は、選手たちや指導者の努力・活躍はもちろん、学校や企業、町民の皆さんが一丸となって成し遂げた成果だと考えています。
現在、関電ローイングセンターみはま(県立久々子湖漕艇場)では、国内最高峰の競技環境の整備に向け2,000mコースの延伸工事が進められており、町では完成を見据え、全日本や国際級大会を開催したいと考えています。町としては、引き続きローイング競技を通じて、交流人口の拡大や地域づくり・「ローイングの町美浜」のまちづくりに取り組んでいく所存でありますので、これまで以上のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。
美浜町長 戸嶋 秀樹