くらし 令和7年度 福井県原子力総合防災訓練

10月24日・25日に、県主催の原子力総合防災訓練が行われました。
今回の訓練では、地震により美浜発電所が外部電源を喪失、その後、全面緊急事態まで進展。放射性物質が施設外に放出される事態を想定して実施されました。
訓練には、美浜発電所から半径30km圏内の県内7市町に加え、国や福井県、滋賀県、岐阜県、兵庫県、奈良県、石川県、自衛隊、消防、電力事業者等の関係組織・機関が参加し、町からは、住民約210人が町外への広域避難訓練に、また、それ以外にも多くの方が屋内退避訓練に参加しました。
町では、町原子力災害対策本部の運営訓練として、町原子力災害現地対策本部(美浜オフサイトセンター)とのテレビ会議による情報共有や町民への情報伝達訓練等を実施したほか、災害状況の確認、住民への周知及び防護措置の実施等、原子力災害時に町や住民がとるべき行動等を確認しました。

■今回の訓練内容
▽目的
(1)美浜地域の広域避難計画(緊急時対応)に基づく避難手順の確認
(2)原子力緊急事態における対策本部と現地の体制や情報伝達手段等の確認 等

▽町での訓練内容
(1)職員参集及び町原子力災害対策本部・美浜オフサイトセンターでの町原子力災害現地対策本部運営訓練
・警戒事態から全面緊急事態、放射性物質放出に至るまでの災害対策、本部会議、合同対策協議会への参加
・美浜オフサイトセンターや県(国)とのテレビ会議による情報共有
(2)住民への情報伝達訓練
・防災情報伝達システム(屋外スピーカー、戸別受信機、ホームページ、防災アプリ)、行政チャンネル、緊急速報メール等
(3)屋内退避訓練【UPZ圏内(※1)地区】
・町原子力災害対策本部からの屋内退避指示に基づき、自宅等において訓練を実施
※1 美浜発電所から半径おおむね5km~30km圏内
(4)住民避難(一時移転)訓練【東地区及び新庄地区】
・美浜発電所から半径5km圏内地区(PAZ圏内)及びUPZ圏内の東地区の住民が町外(おおい町)へ避難(一時移転)
・地震による孤立を想定した、ヘリによる避難
(5)消防団活動訓練【東地区(美浜消防団第2分団)】
・地元消防団により避難の呼びかけ、一時集合施設への誘導、区内の見回りを実施
(6)安定ヨウ素剤配布訓練
バス避難:一時集合施設のバス車内で看護師・保健師等の問診を受け配布
マイカー避難:美浜総合運動公園でドライブスルー方式により薬剤師・保健師等の問診を受け配布
(7)スクリーニング検査
・避難経路途中のうみんぴあ大飯で実施
(8)住民講習会
・避難先(おおい町・総合体育館)にて、放射線やスクリーニング等の基礎知識についての講習会を開催

■戸嶋町長講評(一部)
10月25日(訓練最終日)美浜オフサイトセンターにて

今回の訓練は、美浜地域の緊急時対応に基づき行う訓練として実施しましたが、万が一の時には国や県、関係機関が総力を上げて、住民が安全に避難するための体制と組織力が機動的に構築、実行されることを改めて実感しました。

災害時には、事象の進展に応じて、住民の皆さんが的確に状況を把握して取るべき行動を認識できるようにすることが肝要であると考えています。今回の訓練では、防災行政無線や屋外スピーカー、防災アプリ等に加え、ケーブルテレビでの緊急放送のほか、LINEを活用した情報提供が行われ、特にLINEの画面は、視覚的にも見やすく、円滑な避難行動に繋がる効果的なシステムであったと実感しました。
防災力の充実強化には、訓練を重ね、さまざまな課題の洗い出しや共有により、習熟度を上げ実効性を高めていく必要があるため、町としても引き続き取り組んでいきます。

お問い合わせ先:町エネルギー政策課危機管理対策室(担当・真田)
【電話】32-6716