- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県南アルプス市
- 広報紙名 : 広報南アルプス 令和7年12月号 No.273
■計画が作成された地区
八田地区
白根源地区
白根飯野地区
白根東地区
白根百田地区
芦安地区
若草地区
若草南地区
櫛形小笠原地区
櫛形北地区
櫛形西地区
櫛形豊地区
甲西大明地区
甲西南湖地区
甲西落合地区
八田ほ場整備地区
中野ほ場整備地区1
中野ほ場整備地区2
中野丸山地区
■地域農業のいま
南アルプス市は、豊かな自然に恵まれ、サクランボ、モモ、スモモ、ブドウなどの果物をはじめ、野菜や米など多くの農作物が栽培される農業の盛んな地域です。
しかし近年、農業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加、気候変動の影響など、地域農業を取り巻く環境は大きく変化しています。このまま農業従事者の減少や耕作放棄地の増加が続けば、地域の農業を維持することが難しくなるかもしれません。
■地域計画とは
こうした課題に対応するためには、地域での話し合いを通じて将来の農地利用の方向性を明確にし、農地の受け手を地域の内外から幅広く確保することが重要です。
こうした取り組みを進めるため、令和5年に農業経営基盤強化促進法が改正され、市町村が、地域農業の10年後の将来計画である地域計画を策定することが義務付けられました。
地域計画とは、地域農業の現状や課題、将来の在り方などを整理し、持続的な発展を目指すための将来設計図です。
南アルプス市でも、地域での協議の場の開催、農業経営意向調査、目標地図の作成などを経て、令和7年3月に地域計画を策定しました。
■目標地図の作成
地域計画では、計画区域内の将来の耕作予定者を「農業を担う者」として位置づけ、農地一筆ごとに地図上に示すことで、10年後の農地利用を「目標地図」として明確化します。
目標地図は農業経営意向調査の結果をもとに作成され、各農地の耕作者を色分けして表示します。これにより、耕作者がいる農地や空いている農地が一目で分かるようになります。
耕作者が不在の地域では、新規就農者や農業法人等の誘致、ほ場整備などの施策を検討するきっかけとして役立てることができます。
令和7年3月の策定前には、認定農業者等を対象に意向調査を行いましたが、今年8月から9月にかけては、計画区域内のすべての耕作者を対象に追加調査を行いました。
現在は、その結果をとりまとめ、目標地図への反映作業を進めています。
■協議の場
地域計画の策定にあたっては、各地域で「協議の場」が設けられ、「地域農業をどのように守り、発展させていくか」といった話し合いを行いました。
今年度も地域計画の更新に向けて、来年2月頃に各地区で協議の場を開催する予定です。地域農業の未来を共に考える大切な機会ですので、ぜひご参加ください。
■終わりに
後継者不足や耕作放棄地の増加といった課題は、一度の計画策定ですぐに解決できるものではありません。地域での継続的な話し合いと見直しを重ねることが、持続的な農業への第一歩です。
今後も協議の場を通じて、10年後、20年後の南アルプス市の農業が元気に継続できるように一緒に考えていきましょう。
■地域計画の主な内容
▽地域農業の現状および課題
・農業者の高齢化による労働力不足や後継者不足等により、荒廃農地が増加傾向
・農業の担い手の確保が課題
・鳥獣害による農作物被害と対策の必要性
・温暖化の影響でサクランボの栽培が困難
・農地の宅地化により、隣接農地での農作業がやりにくくなっている地域がある
▽地域における農業の将来の在り方
・認定農業者、新規就農者、企業参入などによる農業の担い手の確保
・農地中間管理機構の活用による農地の集積・集約化の推進
・基盤整備(水路・農道・区画整理)による農作業の効率化、経営の安定化
・温暖化の影響を受けるサクランボからブドウやスモモへの改植を検討
・特産品のブランド化・PR強化
・鳥獣被害防止対策の強化
問合せ:農政課
【電話】282-6207
