- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県南アルプス市
- 広報紙名 : 広報南アルプス 令和7年4月号 No.265
■安心して暮らせるまちづくり
南アルプス市消防本部では、市民の皆さまの安全安心を守るため、災害等に備え、日々訓練を実施しています。今回は、年間をとおして実施している訓練の一部を紹介します。
▽はしご車合同訓練
令和4年4月1日から、南アルプス市消防本部と峡南広域行政組合消防本部において、はしご自動車の共同運用を開始しています。はしご車のアームは、屈折式になっており、上方へ25m伸ばすだけでなく、屈折することでフェンスなどの障害物を乗り越えて活動でき、大きな河川の護岸より低いところでの活動が可能となっています。
また、はしご自動車は、南アルプス市消防本部に配備されていますが、災害現場では峡南広域行政組合消防本部の隊員と協力しながら現場活動を行うため、通信系統の連携訓練をはじめ、峡南広域行政組合消防本部管内の地理や交通障害の調査も実施し、運転技術とはしご操作の向上に努めています。
合同訓練では、両消防本部の管内にある3階以上の建物を想定し、高所に取り残された要救助者を安全・確実・迅速に救出する訓練や、高層階の火災を想定した、ポンプ車からの中継送水による放水訓練を実施しました。今後も継続して、合同訓練を実施することで火災防御や人命救助に万全を期すため、連携強化に努めてまいります。
▽山林火災対応訓練
近年、全国的に山林火災が多発しており、山梨県内では、笛吹市の大蔵経寺山や大月市の山林火災が記憶に新しいところです。
南アルプス市消防本部管内においても、過去に大規模な山林火災が発生したことを踏まえ、毎年、山林火災に対応するための訓練を実施しています。
山林火災は、市街地の火災とは大きく異なり、消防車両の進入や消防隊員の投入、資器材搬送が困難となり、特に消防水利の確保が重要となります。訓練では河川を利用した消防水利の確保と、消防ホースを何十本も使用して小型動力ポンプを数台中継し、広範囲に延焼する山林火災に対応する訓練を実施しています。
また、小さな炎や残火処理に活用する、水のうを背負い消火するジェットシューターも使用し、出火から鎮火までの一連の活動を実施して、消防隊員の知識と技術の向上を図り、災害に備えています。
▽救助技術大会
毎年6月に開催される、山梨県消防職員救助技術大会への出場に向け、特に4月からは訓練時間を増やすなど、取り組みを強化しています。この大会では、高さ7mの位置に水平に張られた25mのロープを渡るロープブリッジ渡過など、7つの種目で確実性とスピードを競います。大会は、消防隊員として現場で必要な基礎技術を確認することを目的とし、迅速な判断と的確な行動を養う場となっています。
令和6年度は大会出場にあたり、ホームページやSNSでの周知、リーフレットを市内の保育所等に配布するなどの方法で、5月25日および26日に100名を超える見学者を迎え、訓練見学会を開催しました。多くの方からご声援をいただき、山梨県大会へ臨むことができました。令和7年度も訓練見学会を開催する予定です。多くの方のご来場をお待ちしています。
今回は、年間をとおしておこなっている訓練の様子をご紹介しました。
これからも市民のみなさまの安全安心な暮らしを守るために、激甚化する自然災害等に備え、技術の向上に努めてまいります。
峡南広域行政組合消防本部とは、市川三郷町、身延町、早川町、南部町、富士川町で構成される消防本部です。
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問合せ:消防本部予防課
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