- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県北杜市
- 広報紙名 : 広報ほくと 令和7年11月号
水道事業は、市民生活に必要不可欠なライフラインであり、市民の生命と暮らしを守るという重要な役割を担っています。市内には、1,353kmの水道管が布設されています。市民の皆さんの安全・安心な水道水を安定的にお届けするために、水道管路をはじめとする施設の監視を行っています。
■なぜ漏水調査が必要なの?
地下に張り巡らされた水道管は、経年劣化により少しずつ水漏れを起こすことがあります。漏水がひどくなると、道路の陥没事故や大規模な断水につながることもあります。また、水道水が地中へ流れ出てしまうことは、貴重な水資源の無駄遣いにもなります。
■夜の静寂に響く「水の音」
市では、上下水道局の職員が深夜0時から2時頃にかけて定期的に漏水調査を実施しています。職員は「漏水探知機」と呼ばれる専用の機械を使って、消火栓や水道メーター、道路の継ぎ目などに耳を当てていきます。皆さんが寝静まった深夜に、わずかな「シュー」という漏水音を聞き分けるのは、熟練の技が必要です。
(1)水量監視システムやAI劣化診断などで状況を確認
(2)漏水調査計画を協議
(3)深夜、漏水探知機で音を確認
(4)漏水箇所の修繕工事
■担当職員に作業について聞いてみました
漏水調査は、水道の使用量が少なくなる深夜0時頃に作業をしています。小さな音でも見逃さないよう、集中して音を聞き分けています。この作業が、皆さんの安全につながると思うとやりがいを感じます。ただ、漏水修繕は傷口に絆創膏を貼るような一時的なものであり、計画的な水道管の布替え更新工事が必要になります。
■最新技術で効率アップ!
水道管の漏水事故は、令和2年度から令和6年度の5年間で年平均176件発生しています。この課題を解決するため、市では最新技術を積極的に導入しています。
令和4年度からは、人工衛星画像で地中の塩素反応を分析し、漏水箇所の可能性が高いエリアを事前に特定する技術を導入しました。さらに、AI劣化診断も組み合わせることで、より詳細な漏水可能性エリアの特定が可能になりました。これにより、漏水調査の効率が大幅に向上しています。
○漏水事故の発生件数

・人工衛星とAI老化診断による漏水可能性エリアは市内に365カ所もあります。
・2日に1回のペースで漏水事故が発生しています。
■市民の皆さんへのお願い
水道管は地中にあるため、漏水箇所を特定することが大変難しい状況です。このため、市民の皆さんからの情報は、非常に助かります。週末や夜間に漏水事故が集中する傾向があります。道路から水がしみ出ているなど、漏水の可能性がある場所を見かけた場合は、上下水道局までご連絡をお願いします。
■水道管に凍結防止対策を!
水道管は気温がマイナス4℃以下になると凍結して、水が出なくなり、破裂して漏水する場合があります。
各家庭において保温材で凍結防止対策を行うなど、水道管の凍結防止にご協力をお願いします。
凍結防止策や凍結・破損した場合の対応は、市ホームページをご覧ください。
問合せ:上下水道維持課
【電話】42-1344【FAX】42-1444
