- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県伊那市
- 広報紙名 : 市報いな 令和7年4月号
■中尾歌舞伎春季定期公演
令和6年4月29日(中尾座)
久しぶりに本格的な歌舞伎を鑑賞し、大いに満喫できました。
演者の堂々とした台詞の言い回し、身のこなしが素晴らしかったです。また、浄瑠璃と各演者やほかのスタッフとの息もぴったり合い、芝居そのものの中に吸い込まれるような感慨を持ちました。
一つ一つの台詞の意味までは分かりませんでしたが、帰宅後、冊子内のあらすじを再度読み返して、印象に残ったいろいろなシーンを思い浮かべることができました。
お君の役を演じた小学生女児の姿は、物怖じすることなく堂々とした演技を披露し、頭が下がる思いでした。
「おひねり」や掛け声が飛び交う様子は、地歌舞伎ならではの光景であり、演者と聴衆との距離の近さ、親近感を感じました。
以前、「Beauty」という歌舞伎を題材にした映画を見て感動しましたが、やはり生の歌舞伎に直接触れるということは、映画とは異なった臨場感や緊迫感がありました。
歌舞伎の持つ意味、中尾歌舞伎の歴史(引き幕の由来など)について、改めて学ぶことができました。また、多くの協賛者(企業や個人)の支援で成り立っていることも理解できました。
市の無形民俗文化財に指定されている中尾歌舞伎を、今後とも支援していきたいです。保存会での演者の育成(私にはできませんが)や資金援助を行い、伊那市の文化・芸能の発展の一助となればと思っています。
酒井照明(さかいてるあき)