文化 文化施設だより-社会教育委員が行く

■歴博講座「軍事郵便は語る」
令和6年8月18日(高遠町歴史博物館)

高遠町歴史博物館の講座は、終戦記念日に合わせた平和教育の一環で、令和6年度は「軍事郵便は語る」とのテーマで、上田小県(ちいさがた)近現代史研究会事務局長の桂木惠(かつらぎめぐみ)先生による講演でした。
日清戦争から始まった戦争の時代の中で、膨大な数の軍事郵便が残されており、それをピックアップした桂木先生の地道な活動に敬意を表するとともに、いや応なく駆り出された庶民の側から見た戦争の無慈悲さに心を打たれました。
軍事郵便を平和教育に結びつけて、巧みに話しを組み立てていく桂木先生の技量は素晴らしいものがありました。
講座の最後に、こうした軍事郵便が二度と書かれないために、一兵卒として大陸に渡った田中角栄さんの言を引用し「戦争の悲惨さを経験者が教えてやらなくてはいけない」という言葉で締めくくられた桂木先生に、心から拍手を送りたいと思いました。若い世代にもっともっと聞いてもらいたい講座だとあらためて感じました。

田中 秀之(たなか ひでゆき)
※今年も戦後80年に関連した企画展が市内文化施設で開催中です。