子育て 〔特集〕子ども・若者が幸せに過ごせる地域に ーこどもまんなか社会ー (1)

子ども・若者を社会の真ん中に据え、その権利や意見を大切にしながら、最善の利益を第一に考える「こどもまんなか」の取り組みについてお伝えします。

◆こどもまんなか社会って何だろう?
国では、子ども・若者に関する施策を社会全体で総合的かつ強力に推進し、「こどもまんなか社会」を実現するため、令和5年4月に「こども基本法」を定めました。こどもまんなか社会とは、すべての子ども・若者が、自立した個人として等しく健やかに成長でき、心身の状況、置かれている環境などに関わらず、権利が守られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態(ウェルビーイング)で生活を送ることができる社会を指しています。
全国的に見ると、少子化に歯止めがかからず、子どもの数が急速に減少している中、児童虐待の相談件数や子ども・若者の自殺者数は年々増加しています。また、子どもの貧困やヤングケアラーなどの社会的な問題も明らかになるなど、子ども・若者を取り巻く環境は深刻です。こうした状況は本市も例外ではなく、複雑な課題や不安を一つずつひもといていくような、きめ細やかな取り組みが求められています。
本市では、子育て家庭に寄り添い、子どもたちの明るい声が響く地域を目指し、子ども・子育て支援に重点的に取り組んできました。子育て支援施設などの充実により、子育てしやすいまちとしての評価や暮らしの満足度向上にもつながっています。これからも、こどもまんなかの取り組みをさらに進めていきます。

◆すべての人が幸せに暮らせる地域のために
子ども・若者に関する取り組みを社会の真ん中に据え、その権利や意見を大切にしながら一番いいことは何かを第一に考える「こどもまんなか」。この視点は、決して、子ども・若者のためだけに限られるものではありません。
子ども・若者を中心に据えることは、地域の未来を育むことです。また、子ども・若者が、周りに支えられながら一人ひとりの多様性を大切にして自分らしく幸せに暮らせる地域は、すべての人が幸せに暮らせる地域でもあります。皆さんで力を合わせ、実現していきましょう。

■〔数字で見る〕子ども・若者を取り巻く課題
◇合計特殊出生率 〔1.33〕
本市の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産むと想定される子どもの数)は、1.33(令和3~5年の平均)で、全国よりは高い水準で推移しているものの、減少傾向にあります。国の人口を維持するにはおおむね2.07以上が必要とされており、人口減少に歯止めがかからない状況です。
また、本市の出生数は、平成26年は569人でしたが、令和6年には424人となり、10年間で約150人減少しています。

◇子どもを生み育てやすいと思う国民の割合 〔38.3%〕
国の調査によると、日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4カ国で調査した結果、日本は子どもを生み育てやすいと思う人の割合が、他の3カ国に比べて著しく低いことが分かりました(他国は77.0~97.1%)。
また、国内の別の調査では、「働いているとき」や「公共交通機関を使うとき」に子ども連れの不便や理解・配慮不足を感じることが多いという意見が多くありました。

◇相対的貧困にある子育て家庭 〔約8世帯に1世帯〕
本市の18歳以下の子どもがいる世帯のうち、世帯年収が中央値(収入を多い順に並べたときにちょうど真ん中になる値)の半分に満たないなどの「相対的貧困」の状況にある世帯は、約12%(約8世帯に1世帯)となっています。
こうした世帯では、その他の世帯と比べ、子どもが学習塾や習い事に通う割合が大きく下回るほか、子どもの進学の見通しや生活満足度も低い傾向がみられ、子どもの将来への影響が懸念されます。

◇20歳未満の自殺死亡者数(人口10万人当たり) 〔5.3〕
人口10万人当たりで換算した本市の若者の自殺死亡者数は、県と同様に全国より高く、令和元年から5年までの5年間の合計で、20歳未満で5.3(全国3.6)、20歳代で35.2(全国19.0)となっています。また、令和6年の全国の児童・生徒の自殺者数は529人で過去最多となりました。

◇中学生の17人に1人がヤングケアラー
ヤングケアラーとは、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っている子ども・若者を指す言葉です。子どもとして必要な時間(遊びや勉強など)を奪われ、ケアにより身体的・精神的な負荷がかかってしまうことが問題とされています。国の調査によると、中学生の17人に1人がヤングケアラーの状況にあると推測されています。

■できることから取り組みましょう! ~こどもまんなかアクション~
◇日常生活で…
・電車の中や公園などで、子どもが泣いたり騒いだりしていても温かく見守る。
・ベビーカーを押す人がエレベーターに入りやすくするために、扉を押さえる。
・トイレで我慢できない子どもがいる時に、順番を譲ってあげる。

◇職場で…
・社員が、子ども関係で休みを取りやすい雰囲気をつくる。
・子どものお迎えに行く社員が、定時退社や時差出勤などをしやすいよう配慮する。

問合せ:こども未来課 こども未来応援係
【電話】[直]0263-52-7313