- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県長和町
- 広報紙名 : 広報ながわ 令和7年1月号
長和町議会議長
森田 公明
明けましておめでとうございます。
令和7年の新春を寿ぎ、長和町議会を代表し、慶祝の挨拶を申し上げます。町民の皆様には希望に満ちた新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は、元旦に能登半島地震が、9月に奥能登豪雨が発生して甚大な被害を引き起こし、改めて気候変動や地震災害等に対する備えと対策を認識させる年となりました。日本経済は、長期に亘るデフレとコロナ禍による停滞から一転様々な価格が急速に上がるインフレ状況となり、インバウンド需要も絡み、私たちの生活に大きな影響をもたらしています。
国際情勢は、ウクライナやイスラエルの紛争が未だ終結に至らず、周辺諸国の混乱や国際関係の緊張に波及し、我が国の安全保障政策にも少なからず影響を与えています。
その中で、原爆投下から80年を前に日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、田中代表委員は受賞演説で「核も戦争もない世界の人間社会」を求めて核抑止論からの脱却を訴えました。また、捜査機関による証拠ねつ造により長く死刑囚として収監された袴田巖さんの再審無罪が確定し、姉の秀子さん始め弁護団の50年余に渡る粘り強い活動が実を結びました。これらを含め昨年は、信念をもって真実を訴える不断の献身がやがて結果を生み報われることが世に示された年であったと感じます。長和町議会においても、えん罪被害者の速やかな救済のため再審法改正の意見書を国に提出いたしました。
本年令和7年10月、長和町は二十歳になります。この20年、町は「長和町」としての新たな町の姿を求め、様々な施策を採り実施してきました。
町役場庁舎が、町の景観を象徴する木材を生かした姿で新築移転。人口減少への取り組みと若者世代の定着を目指し8棟65戸の町営住宅を4地区に建築、その後も長和町で暮らし続けられるよう立岩落合住宅団地を造成しました。大門の風土を生かしたダッタンそば加工直販施設「緑の花そば館」を、マルメロの駅ながとに大型農畜産物直売所「マルシェ黒耀」を建設し、農畜産業振興と6次産業化を進めました。移住定住策には、長和町田舎暮らし体験住宅を整備。ながと保育園を統合開設し子育て支援センターを併設、小中学校の給食費無償化、18歳までの医療費無償化などの子育て支援策を実施。
公共交通の利便性向上に、巡回バス「ながわごん」を充実させ、昨年にはデマンドバスに移行。上小医療圏の一翼を担う依田窪病院の継続充実に取り組み、3年半に及ぶコロナ禍においても地域の医療と住民の安全を守ってきました。星糞峠の黒耀石鉱山遺跡が「星くそ館」として整備されて町の新たな魅力発信の核となり、長和町青少年黒耀石大使の活動が文化交流や人材育成に繋がっています。
議会もこれら議案をしっかりと審議し協力してきました。にもかかわらず、町発足時7500人余有った町の人口は昨年末には5500人余となり、人口減少と少子高齢化が依然として続いています。高齢化率は45%に近づき、若者世代の人口及び出生数も減少している状況です。人口減少は日本国全体の傾向であり第一に国の取り組むべき問題とは言え、町として、長和町に住んで暮らし続ける人を増やすための施策をさらに整えていくことが求められます。
長和町議会は、現議員の任期が3年余を経過する中で、この間、議会活動の充実に努め、議会報告懇談会や諸団体との懇談会を開催して町民の皆様の声を伺い、議案審議や一般質問に生かしてきました。また、議会モニター制度、議会DXを進め、町民の皆様に寄り添った信頼される議会を目指してきました。
しかし、一般質問や決算審議を基にした議会としての政策提言、町の施策を検証する政策サイクル、町の課題に町民の皆様と取り組む政策サポーターなど、さらに議会活動を深め、町の課題解決に努めていかなければなりません。本年も、町民の皆様との交流を一層充実させ多様なご意見を伺うとともに、意志を活せるよう調査研究と議論を重ね、真に町民のための政策を立案提言し、町の課題に取り組んでいきたいと考えます。ますますのご指導ご支援をお願い申し上げます。
本年こそ、世界の紛争や急激な経済変動が落ち着き、誰もが自由で平穏に過ごせる一年になることを期待し、町民の皆様にとり素晴らしい年となりますようご祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。
令和7年1月1日