健康 [特集]守ろう腎臓 防ごう慢性腎臓病(CKD)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県可児市
- 広報紙名 : 広報かに 令和6年12月号
腎臓病は自分に関係ないと思っていませんか。実は、日本の慢性腎臓病の患者は20歳以上の約7人に1人いると推計されています。
新たな国民病といわれるこの病の症状や予防方法を紹介します。
■慢性腎臓病(CKD※)とは?
「慢性的に経過・進行していく腎臓病全般」を指し、日本には約1,480万人いると推計されています。腎臓の働きが健康な人よりも低下している、または尿にタンパク質が出るなど腎機能の異常が続く状態です。
初期はほとんど自覚症状がありませんが、進行してくると以下のような症状が現れます。放置しておくと、人工透析が必要になったり、心臓病や脳卒中が発症しやすくなったりするといわれています。
※英語でChronic Kidney Diseaseの略。
▽慢性腎臓病の主な病状
・むくみ
・疲れやすい
・貧血
・夜間に何度もトイレに行きたくなる
・息切れしやすい
▽慢性腎臓病を放置すると…
・人工透析が必要に
・心臓病や脳卒中などを発症
※腎臓は一度悪くなってしまうと、元に戻せません。
■大切な腎臓の働き
腎臓は腰のあたりに左右に1つずつあり、1つ150gほどの小さな臓器ですが、次のとおり重要な働きがあります。
(1)血液をろ過して、体に必要なものを再吸収し、不要な老廃物を尿として排出する
(2)血液中の水分・塩分のバランスを保つ
(3)血圧をコントロールする
(4)ビタミンDを活性化し骨を健康に保つ
(5)血液をつくるホルモンを分泌する
■慢性腎臓病の早期発見・早期治療のために
腎臓の状態は、次の検査で確認することができます。健診を受けた人は、健診結果通知表を見てみましょう。可児市特定健診やぎふ・すこやか健診でも検査が可能です。
▽尿検査
尿の中にタンパク質や血液が出ていないかを確認します。
▽血液検査
・血清クレアチニン(血液中の老廃物)
腎機能が落ちると、尿として排出されないため、血液の中の数値が高くなります。
・eGFR(推算糸球体ろ過量)
腎臓の老廃物をろ過する機能がどれくらいかを表します。数値が低いほど、腎臓の働きが悪くなっています。
・慢性腎臓病のステージ分類
「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」を基に作成。
■慢性腎臓病を予防するために
梶先生に聞きました
梶の木内科医院院長 梶尚志(たかし)さん
▽日常生活の健康管理が重要!
・塩分を控え、バランスの良い食事を心がける
・適度な運動を習慣にし、血圧や血糖値をしっかり管理する
・定期的な健診で腎臓の状態を確認する
▽こんな場合にはかかりつけ医や腎臓専門医に相談を
・健診で尿タンパクが検出された
・eGFRの値が60未満だった
・高血圧や糖尿病の治療をしているが、コントロールが難しい
・むくみ、頻尿または尿量の減少を感じる
■さらに詳しく知りたい人へ 慢性腎臓病予防セミナーを開催します
日時:令和7年1月25日(土)14時~15時30分(開場は13時30分から)
場所:福祉センター
演題:「腎臓からのSOSを見逃していませんか」
講師:今井裕一(ひろかず)さん(多治見市民病院院長、愛知医科大学名誉教授)
定員:200人(先着順)
受講料:無料
申込方法:申込フォーム(二次元コードは本紙掲載)または電話
申込締切:令和7年1月18日(土)
問合せ:健康増進課
【電話】内5505