文化 「可児のあけぼの 旧石器時代の人たち」可児市のじまんとほこりVol.2 歴史じまん

■すごいpoint
・可児でも約2万年前に人がいたことが、石器から分かったよ。

■人類が誕生し、広がるまで
地球上に人類が登場したのは、今から約650万年前です。初期の人類は、大型霊長類と共通の祖先から分かれ、ヒトへと進化してきました。
以前は、猿人(えんじん)→原人(げんじん)→旧人(きゅうじん)→新人(しんじん)の4つの段階を経て、現在のヒトに至ったとされていました。
しかし、近年では猿人から新人へ一直線の系図は引けず、複雑な進化をたどったと考えられており、旧人と新人の区分もあいまいです。
現在の研究では、アフリカで出現した人類が約7万年前に世界へ広がっていったとされています。

■約2万年前の石器
可児へ人が来たのは、約2万年前のことです。建物の跡などは見つかっていませんが、当時の人々が使用した石の道具(石器)が、下恵土や川合で見つかっています。
旧石器時代の人たちには、鉄などで道具を作る技術がなかったため、石や木などを加工して道具を作っていました。
見つかった石器は、石材を割ったり欠いたりしながら、ナイフのように加工したものです。

■旧石器時代の人々の生活は?
2万年前に可児にいた人々は、食べ物となるものを探して、移動しながら生活していたのかもしれません。お米や麦といった作物は作ることをせず、木の実を拾ったり、魚を捕ったり、時には動物を狩って食べていたと考えられています。

■道具から見られる交流の証し
可児では、黒曜石(こくようせき)というガラスのような材質の石が見つかっています。黒曜石は可児では採れない石で、長野県などの山にあります。このことから、旧石器時代の可児の人々がいくつかの地域との交流を通じて、長野県の石材を手に入れていたことが分かります。

※本記事は、「可児市のじまんとほこり2025」から、一部編集を加えて転載したものです。

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