- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県富士市
- 広報紙名 : 広報ふじ 令和7年7月1日号
■〜戦後80年の今、私たちにできること〜
○言葉を預かり、記憶を伝える
広島市の被爆体験伝承者として活動する伊藤映子(えいこ)さん
被爆体験伝承者は、被爆者の体験や平和への思いを次世代に受け継ぐために広島市で養成されています。
私は、原爆投下当時12歳だった笠岡貞江(かさおかさだえ)さんの被爆体験を受け継ぐ認定を受け、年に数回、広島の平和記念資料館で話をしています。広島県出身で、中学校の社会科教員ということもあり、被爆者の体験から原爆のことを伝えたいと思ったことが、この活動のきっかけでした。
今年度、初めて授業で被爆体験伝承講話を実施しました。生徒から、「原爆の恐ろしさを学べた」「平和の大切さを改めて感じた」などの感想をもらい、改めて人の言葉で伝える意義を感じました。
講話を通じて、広島で起きたことをより深く学び、「なぜ今なお核兵器があるのか」「どうしたらなくせるのか」について、生徒と一緒に考えることができたらと思っています。
○平和を考え続ける世の中に
核兵器廃絶平和富士市民の会代表を務める小長谷保(こながやたもつ)さん
「核兵器廃絶平和富士市民の会」は、富士市の核兵器廃絶平和都市宣言をきっかけに、それまで推進活動を続けてきた市民団体を母体として結成しました。
主な活動内容は、「平和のための富士戦争展」や「平和を学ぶ講座」などを通して、平和の大切さを訴えることです。
私は弁護士として働いているので、仕事柄「人権」や「平和」という問題におのずとふれることが多くあります。
80年間、日本で武力行使が起きていないことはすごいことですが、何が起こるか分からない現代だからこそ、平和であり続けるために、皆さんに関心を持って今の状況を知ってほしいと思います。
これからも、核兵器の恐ろしさや戦争の愚かさ、今の社会が平和であることのすばらしさなどを訴え続けていきたいと考えます。
○自分の目で、足で
中学生広島市派遣事業に参加した寺田頼正(らいせい)さん
昨年、中学生広島市派遣事業に参加しました。その前の年に参加した友達から話を聞き、小学生の頃に読んだ原爆の物語を思い出しました。そのときに感じた残酷さや恐ろしさから、なぜこんな悲惨なことが起きてしまったのかを知りたくなりました。
実際に広島を訪れ、原爆ドームや広島平和記念資料館で被爆の惨状を目の当たりにしたときには、本当に大きな衝撃を受けました。百聞は一見にしかず。頭では分かっていたつもりでしたが、実際にこの世で起きた出来事なんだと実感し、より一層の恐怖を覚えました。平和は、当たり前のことではないと改めて気づかされました。
ふだんあまり接点がない、他校の生徒とも交流ができ、「平和」や「戦争」について一緒に深く考えることができました。これからも、平和について考え続けていきたいです。
○小さな一歩が大きな力に
静岡県高校生平和大使2023年長崎派遣代表を務めた渡邊楓花(ふうか)さん
高校生のとき、海外の姉妹校の生徒と交流する機会があり、アメリカや韓国の友達と日本の戦争について話したことがあります。それぞれの立場から歴史について考えると、改めてとても難しい問題だと感じましたが、友達がその難しい問題に向き合う姿を見て、自分自身も真剣に向き合っていきたいと考えるようになりました。
長崎派遣代表として、国連に届ける核兵器廃絶を求める署名活動や講演活動を行う中で、「自分事として捉えてほしい」「若い世代の人にもっと知ってほしい」と、強い使命感を抱くようになりました。平和大使の任期終了後の現在も、高校生1万人署名の手伝いや講演活動を続けています。
「平和」という大きな問題は、実は誰にでもできる取組です。「向き合う」という小さな一歩も、大きなことにつながると信じています。
■核兵器廃絶平和都市宣言40周年記念事業
戦争を知り、平和について一緒に考えてみませんか。
40周年の今年、平和推進の取組として、様々な事業を行います。
○ミニミニ原爆展
日時:8月12〜29日
場所:市庁舎2階市民ホール・連絡通路
○中学生広島市派遣事業展示
○平和のための富士戦争展※
日時:8月12〜17日
場所:ロゼシアター展示室
※「平和のための富士戦争展」は、核兵器廃絶平和富士市民の会の主催事業です。
○市政いきいき講座「平和って何だろう?」
シティプロモーション課では、戦争を知り、平和について考える機会を提供する場として、市政いきいき講座を行っています。
内容:戦争にまつわる話を聞いたり、市内にある戦争史跡について学んだり、戦争に関する遺品や当時の実物にふれたりする
条件:10人以上
申込み:市政いきいき講座「利用申請書」をシティプロモーション課へ
○講演会「ジョーが私たちに託した想い〜広島・長崎・福島からのメッセージ〜」
日時:8月16日(土) 17:00〜
場所:ロゼシアター4階会議室
人数:70人(先着順)
申込み:7月15日(火)の9時以降に、市ウェブサイトで電子申請するか、電話でシティプロモーション課へ
※このほか、11月に富士山のふもとから平和を願う日(被爆体験伝承者講話など)や、広報ふじ「戦争と平和」特集パネル展も予定しています。詳しくは、広報ふじ10月号で紹介します。
■平和を祈りましょう〜戦没者の霊を慰め、平和を祈念します〜 富士市戦没者追悼式
日時:8月15日(金) 11:50〜
場所:ロゼシアター
同報無線放送の鐘の音とともに、戦没者・原爆死没者の慰霊と、平和祈念のため、黙とうをささげましょう。
日時:
・8月6日(水) 8:15(広島平和記念日)
・8月9日(土) 11:02(長崎原爆の日)
・8月15日(金) 12:00(終戦記念日)
※15日(金)は、富士市仏教会の協力により、市内寺院にて、平和を祈る打鐘を行います(全ての寺院ではありません)。
問合せ:シティプロモーション課
【電話】55-2700【FAX】51-1456【メール】[email protected]