- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県藤枝市
- 広報紙名 : 広報ふじえだ 令和7年8月号
■藤枝の夏を創る花火師
(株)臼井煙火
代表取締役 臼井宏司(ひろし)さん
◇煌の花咲く夜
火薬の材料を入手することが容易だった土地柄が後押しし、本市の花火産業は長い歴史を築き上げてきました。
臼井さんは、明治39年に創業した臼井煙火の5代目。大勢の人を喜ばせることができるこの仕事を自身もやってみたいと思ったことがきっかけで、18歳で花火師としての人生を歩み始めました。周りが夏休みに入る中、家は花火大会に向けて大忙し。それでも、「『家業を継ぐ』以外の選択肢はまったく思い浮かばなかった」と言います。
コロナ禍の最中に打ち上げられた「サプライズ花火」。見る人を魅了しただけでなく、当時漂っていた閉塞感を打ち破ってくれたのも、臼井さんたちが製造した花火でした。
打ち上がりこそ綺麗な花火も、大量の火薬を使う危険物。
「安全第一、花火はその次」と、一段と慎重に取り組む姿に、並々ならぬ精神力を感じ取ることができました。
「本当に花火が好きな人たちだけがこの仕事を続けている」と語る臼井さん。
大会当日の夜は、蓮華寺池中央から西側(鬼岩寺側)にかけて、臼井さんと臼井煙火の皆さんが込めた思いが花開きます。