文化 【特集】「やさしい日本語」を使おう!

■日本人も外国人も笑顔になれる魔法のコトバ
「やさしい日本語」を使おう!

本市に住む外国人は、5,905人(令和6年12月1日現在)。この10年で約2倍に増加しました。
また、「袋井市人口ビジョン2060」によると、本市では20年後には10人に1人が外国人になるといわれており、今後も国の外国人材受入施策により、増加が予測されます。同時に、多国籍化が進むことが見込まれ、それぞれの言語への対応も限界を迎えています。
日本人も外国人も住みやすいまちづくりのカギとなるのが「やさしい日本語」です。あなたも、思いやりの心をもって「やさしい日本語」で話してみませんか?

◆きっかけは、阪神淡路大震災
「やさしい日本語」とは、難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語のことです。
「やさしい日本語」が生まれたきっかけは、「阪神・淡路大震災(1995年)」です。この震災により、地震発生時の緊急速報や避難指示を理解できずに、多くの外国人が被災しました。そこで、災害時も「速やかに」「簡単に」そして「正しく」情報を伝えるため、「やさしい日本語」の取組が始まりました。

◆外国人に一番伝わる言語は…?
「外国人に一番伝わる言語は英語である」と思っている方も多いのではないのでしょうか。
しかし、外国人は英語圏の方ばかりではありません。本市には40を越える国や地域の方が住んでいますが、多くが英語圏ではない国の出身です。
また、県が本県に住む外国人を対象に実施した「令和2年度 静岡県多文化共生基礎調査」では、全体の84%の方が「やさしい日本語なら理解できる」と答えています。この調査により、一番伝わる言語は英語ではなく日本語であるということが明らかになりました。

◆「やさしい日本語」に正解はない
「やさしい日本語」は、外国人だけでなく、子ども・高齢者・障がい者など、様々な立場の人に配慮した言葉で、相手が理解できるよう「易しい」表現を使って、「優しい」気持ちで伝えるものです。「やさしい日本語」に正解はありません。大切なのは、「伝えたいという気持ち」と「相手の立場を思いやる想像力」です。

◇「やさしい日本語」をもっと知ろう!
県の『「やさしい日本語」の手引き』では、「やさしい日本語」に関する情報を知ることができます。

◆いつもの言葉を「やさしい日本語」で言い換えてみよう
◇「どちらの国からいらっしゃったの?」
→「国はどこですか?」
CHECK!難しい敬語は使いません

◇「今日はえらかったやぁ」
→「今日は疲れたね」
CHECK!標準語にします

◇「なるべく早めに教えて」
→「明日までに教えて」
CHECK!期限を明確に伝えます

◇「直ちに避難してください」
→「早く逃げて!」
CHECK!簡単な言葉に言い換えます

◇「土足厳禁」
→「靴を脱いでください」
CHECK!漢語を和語にします

◆ポイントは「はさみの法則」!
・はっきりと言う
・さいごまで言う
・みじかく言う

◆「やさしい日本語」で翻訳アプリを使おう
◇多言語音声翻訳アプリVoiceTra(ボイストラ)
「VoiceTra」は、国立研究開発法人情報通信研究機構が開発中の、31言語に翻訳ができる無料のアプリです。話しかけたことを外国語に翻訳してくれます。「やさしい日本語」で話しかけると、より正確に翻訳することができます。

◆「やさしい日本語」は多くの場面で使われています
◇行政で
市では、防災で使える「やさしい日本語」をまとめたガイドブックを作成しています。また、市ホームページには「やさしい日本語」への変換機能を搭載しています。

◇企業で
従業員の4割以上が外国人の(株)武蔵野東海工場(久能)では、社内での会話で「やさしい日本語」を使うことを心掛けています。また、社内で日本語教室を開催。外国人にやさしい取組を進めています。

◇地域で
木原自治会では、外国人住民に夏祭りの参加を呼び掛けるため、「やさしい日本語」で案内を作成。夏祭り当日は多くの外国人が参加し、国籍を超え、住民同士の顔の見える交流が行われました。

◇日本語教室で
市主催の日本語教室「はじめての日本語ひろば」では、「やさしい日本語」を使って外国人と日本語サポーターが相互交流することで、外国人の日本語の習得につなげています。

問合せ:多文化共生推進課多文化共生係
【電話】44-3138